D・W・グリフィスのすべて

グリフィスD・W・グリフィスは、アメリカはケンタッキー州出身の映画監督です。
 
英語表記ではDavid Wark Griffith、1875年1月22日に生まれて1948年7月23日に亡くなりました。時代的にはチャップリンより15才近く年上ですね。よく「映画の父」なんて呼ばれます。
 
それもそのはず、映画が発明されたのが、だいたい1900年ですから本当に映画の歴史の初期に登場した監督ということになります。
 
もっともグリフィスは最初、旅役者であり脚本家であったようです。やがて生活が苦しくなり映画のエジソン社に役者として雇われます。監督デビューはその後バイオグラフ社というところにスカウトされてからです。
 
え?ウソでしょ?エジソン社?と思われた方もいるかもしれません。そうです、あの電球の発明で有名なエジソンは映画の発明にも深く関わっていたんですね。
 
19世紀の後半頃には、アメリカやフランスなどが写真技術を応用して映画につながる技術を研究・開発していましたが、1893年にエジソンが箱の中をのぞくと動画が見られるという映写機(キネトスコープ)を公開。
 
さらにフランスのリュミエール兄弟が箱の中の動画をスクリーンへ写すシネマトグラフ・リュミエールという機械を発表しました。これがいわゆる映画の起源と言われています。
 
その後、世界初の物語構成のある映画「月世界旅行」を、フランスの元マジシャンのジョルジュ・メリエスという人が制作しました。この人、実は手作業で色づけをするという荒業ではありますが、すでにこの時代にカラー映画の制作もしていました。ちなみに、「月世界旅行」の映像はWikipediaで見ることができます
 
さあ、話をグリフィスに戻しましょう。僕は大学で映画史の授業をとっていたのですが、その時に、まずグリフィスの「國民の創生」と、セルゲイ・エイゼンシュテイン監督の「戦艦ポチョムキン」を学んだ記憶があります。
 
この2つがなぜ有名なのかと言うと、なにも映画の歴史の初期の段階の作品だからだけではありません。これらの作品は単なる動画ではなく、人の感情や場面の意味をカメラの撮り方で表現するという手法を使っていたものだったからなんですね。
 
クローズアップ手法だとか、モンタージュ理論といって1シーンを様々なアングルから撮るような手法が有名です。
 
映画史というからには、ハリウッドの全盛期にマリリン・モンローやシナトラが活躍した時代の映画が見られるのかな?なんて考えていた当時の僕は、いきなり「戦艦ポチョムキン」やらモンタージュ理論やらと聞かされて、だいぶ面食らった記憶がありますね。たしか単位はギリギリとれたかと思いますが(笑)
 
代表作としては、1915年の「國民の創生」、1916年の「イントレランス」、そして1919年に発表した「散り行く花」の3本でしょう。もちろんサイレント映画です。
 

 
特に当時のソ連の政治家ウラジーミル・レーニンは、「イントレランス」に感銘し、グリフィスをソ連の招待したといいます。
 
 
これでグリフィスが、映画の初期時代に貢献したのはわかっていただけたかと思いますが、それだけではありません。ここからが面白いところです。
 
グリフィスを師と仰いでいた人気俳優と女優がいます。それが、ダグラス・フェアバンクスとメアリー・ピックフォードです。
 
ダグラス・フェアバンクスといえば当時ハリウッドでNo.1のスター俳優でチャップリンとも交友関係にありました。また、メアリーもカナダ出身の人気女優で「アメリカの恋人」と親しまれ、初めて100万ドル稼いだ女優として有名です。ちなみに、この2人はお互いイロイロあった末、結婚して、離婚しています。
 
FAQページにも書きましたが、この4人、つまりグリフィスとダグラス、メアリ、そしてチャップリンで、なんと映画会社を設立するんですね。ユナイテッド・アーティスツという会社です。
 
まさにオールスター映画人が勢ぞろいして作った夢の会社ですね。
 
今でいうならスピルバーグとゲフィンとジェフリー・カッツェンバーグが作ったドリームワークス社みたいな感じ?そんなユナイテッド・アーティスツ社は現在パラマウントに買収されて傘下となっています。2006年にはトム・クルーズが実質的な経営者として映画製作を手がけていたりもしてました。
 
ユナイテッド・アーティスト設立時の写真はこちらのページで見ることができます。(左から、ダグラス、メアリー、チャップリン、グリフィスです)
 
先程、あげたグリフィスの代表作の1つ「散り行く花」はユナイテッド・アーティスツ時代に発表された作品です。なんとなんと、あの黒澤明監督が選んだ100本の名画のうち堂々第1位の映画として選出されております。ちょっと見たくなってきたでしょ?(笑)
 
映画解説でおなじみの淀川長治さんもグリフィス作品の中で一番と称しています
 
原題は「BROKEN BLOSSOMS」。直訳すると「壊れた花」ですね。主演は、リリアン・ギッシュという超美人女優と、俳優で映画芸術科学アカデミーを創立した36人の会員のうちの1人でもあるリチャード・バーセルメス。
 
リリアン・ギッシュは「國民の創生」にも「イントレランス」にも出演しています。メアリー・ピックフォードにグリフィスを紹介されて以来、一生涯グリフィスを敬愛していたといわれています。(リリアンの写真はこちら)
 
散り行く花」は、日本でも1922年に上映されていますが、配給は大正活動映画社というところが行ったらしいです。この会社は谷崎潤一郎さんなんかが関わっていたらしく、谷崎さん脚本・原作の映画が何本か公開されていますね。
 
ほかにもグリフィスに影響を受けた人は多く、Wikipediaによると、藤子・F・不二雄先生の「キテレツ大百科」にもグリフィスの「イントレランス」が登場してるみたいです。さすが。
 
2回女優と結婚して、2回とも離婚してますね。1936年には、アカデミー特別賞を受賞しています。
 
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