※TV版および映画版の「男はつらいよ」に関するネタバレが多数含まれています。ネタバレが嫌な方は読まないでね。ただ「男はつらいよ」はネタバレしてても十分楽しめると個人的には思いますけどね(笑)
渥美 清(あつみ きよし, 1928年3月10日 – 1996年8月4日:満68歳没)は、日本の台東区出身の俳優です。
渥美さんといえば、国民的人気のあの正月映画「男はつらいよ」のフーテンの寅こと車寅次郎役のイメージが強いですよね。
この山田洋次監督の寅さんシリーズは全部で48作あり、映画のシリーズで最多記録の作品としてギネスにも認定されました。渥美さんは実に27年間も寅さんを演じてきたというからすごい!
もちろん、寅さん以外にも出演作はあり、「泣いてたまるか」「馬鹿まるだし」「学校」「幸福の黄色いハンカチ」「キネマの天地」「ダウンタウン・ヒーローズ」などにも出演していて、映画「八つ墓村」では、なんと金田一耕助を演じています。渥美さんの金田一は、ちょっと想像つかないですよね(笑)
「男はつらいよ」は映画が有名かもしれませんが、実はもともとはテレビドラマだったんです。知ってましたか?1968年10月から1969年3月までの半年間26話が放送されました。
ただ、TV版「男はつらいよ」の最終回で、寅さんが鹿児島県の奄美大島へ行きハブにかまれて死んでしまうという終わり方をしたものですからファンから猛反発をくらい、映画化して復活させたという経緯があったみたいです。たしか渥美さんの追悼番組で山田洋次監督が語っていたと記憶しています。寅さんは、TV版の時から大人気のキャラクターだったんですね。
「男はつらいよ」ではオトボケ・キャラの寅さんを演じていた渥美清さんですが、プライベートは謎なことが多いですね。普段は、様々なお笑いの舞台やライブ、芝居などに足しげく通っていたそうで、演技の勉強や笑いの勉強をしていた勤勉な暮らしぶりだったとか。
渥美さんが亡くなってしまった頃、関口宏さん司会の「知ってるつもり?!」という毎回誰か1人の人生を詳しく振り返るという、今でいう情熱大陸みたいな番組がありましたが、そこで渥美さんの追悼企画があり観たときには非常に興味深かったです。(もしかしたらNHKの「渥美清の伝言」というインタビュー番組だったかも?)
1954年に肺結核をわずらい右肺を摘出していたとか、晩年は趣味で俳句をやっていて「風天」という俳号を使っていたらしいです。句集も発売されました。
少し文学的な話になりますが、たしかこれも「知ってるつもり?!」で紹介されてましたが、例えば「赤とんぼ じっとしたまま 明日どうする」という句が紹介されてました。テイスト的には種田山頭火のような感じですかね?僕は結構こういうテイスト好きだなぁ。
こういう句を読んで思い出すのは、渥美さんが「役者なんて所詮1人。だけどサラリーマンにはサラリーマンの悲哀があるんだろうな」みたいな寂しさを語っていたこと。晩年は共演者にも黙って東京は御茶ノ水にある順天堂病院に通っていたということもあって、ファンの人に言い寄られてもあまり応えることはなかったようなんですね。そのことに対して「スーパーマン役の俳優にファンの子供たちが飛んでくれって頼んだらしいけど、スーパーマン実際には飛べないもんね。寅さんが愛想が良過ぎたのかな」なんておっしゃっていたのが、とっても印象的でした。
またプライベートと仕事をキッチリ分けたいタイプだったらしく、タクシーからおりる時も自宅から少し離れた場所で降りることを常にしていたというから、すごい徹底ぶりですよね。自宅とは別に原宿に勉強部屋として部屋を借りて、よく1人でこもっていたらしいです。
1988年(昭和63年)には、紫綬褒章を授与され、死後に国民栄誉賞が贈られています。渥美さんはあまり自伝などを書くタイプではないですが、それでも対談や句集など著者となっている本は、以下の3冊が発売されているようです。
渥美清さんは三国連太郎さんと同じで、厳しさの中にもどこかユーモアと温かさのある大変魅力的な俳優さんだったと思います。渥美さんの訃報を聞いたのは、僕がちょうど大学の浪人時代で非常にショックを受けたのを覚えています。
初めて見た映画がドライブインで見た「男はつらいよ」だったので、個人的に寅さんは思い入れの深い作品なんです。大学に入ってから「男はつらいよ」全48作を通して見た後、お気に入りの数本を何度も見返したものですヽ(´▽`)/
決まって寅さんを見た後は、不思議と人間愛があふれてきて誰かと会いたくなりました(笑)
ちなみに、渥美さんにささげられた山田洋次監督の映画「虹をつかむ男」のエンディングに渥美さん演じる寅さんの姿が登場しますが、あれはCG合成だそうです。それでも、やっぱり渥美さんが登場すると一気に空気が変りますね!
やっぱり大好きです。渥美清さん☆
山田洋次さんが「渥美さんが亡くなる前に、人間とは?人生とは?なんていう話を、もっとしておけばよかった。そんなふうに今は思いますね」と語っていましたが・・・本当にその通りですよ(泣)
では、最後に渥美さんの代表作である「男はつらいよ」全48作中、僕的オススメ作品をいくつかピックアップしておきます。オススメ順です。ああ、解説したい・・・けど、それは渥美清さんのページでなくて、作品紹介のページで書くことにします。ただ、これ以外でも「男はつらいよ」は全作品、素晴らしいエール映画ですのでハズレはないです。全作+特典DVD付きのBOXも発売されていますので、いきなりそちらを購入するのもオススメです♪
〓関連記事