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「ライムライト」は最高のエール映画でSHOW?




「ライムライト」は、チャールズ・チャップリンが監督、脚本、音楽、主演、製作した1952年のアメリカ映画です。
 
チャップリンと言うと、無声映画の中で帽子&スティックにヒゲをたくわえた浮浪者役が思い浮かぶという方が多いかもしれませんが、それは若い頃のチャップリンの姿。たしかにコメディ映画で一躍有名になりましたが、実は晩年に製作した数本のトーキー(有声)映画こそがチャップリンの真骨頂ともいえる名作・傑作ぞろいだと個人的には考えています。
 
そんな晩年の映画の1つが「ライムライト」で、もうチャップリン映画の中でもベスト3に入ることは間違いないでしょう☆
 
チャップリンのセリフ・名言としても有名な、あの金言(後述)も登場する人生の応援歌的な映画。あの天才チャップリンがあなただけに向かって生きる意味と希望を熱く語ってくれているんです。なんと贅沢な映画でしょうかヽ(´▽`)/
 
あらすじは、チャップリン扮する落ちぶれたコメディアンが偶然、部屋でガス自殺しようとしている若く美しいバレリーナの女性を発見して助け出し、看病をすることに。彼女は足を怪我したことから、もう踊れないのだと落ち込み生きる気力を失っています。それを見たチャップリンは、彼女を励ましながら、次第に自分ももう一度奮起してコメディを本気でやってみようと決意します。そこへ、若い売れかけの男性ピアニストが現れバレリーナの女性に恋をするが・・・というお話。
 
ちなみに、Wikipediaでは本作「ライムライト(原題:Limelight)」はチャップリンが初めて素顔で出演した長編映画と書いてありますが、1947年に公開された「殺人狂時代」の時のチャップリンもほとんぼ素顔と言っていいんじゃないかと思います。まあ、どちらも有名な浮浪者スタイルではないということはたしかです。
 
あと、タイトルのライムライトというのは、電球発明以前に使われていた舞台の照明の呼び名で、同時にライトに照らされる=スターということから「名声」という意味もあったそうです。

 


では、気になっている方も多いと思うので早速、作中に登場する名言を3つだけチョイ編集して紹介しますね。
 
1つ目は、一番有名なセリフ。すこし長いので編集して紹介します。
 
All it needs is courage, imagination and a little dough.
 
「人生に必要なのは、勇気と想像力、それと少しのお金だ」
 
Yes, life can be wonderful. if you’re not afraid of it. Life is a beautiful. magnificent thing. To be lived, suffered, enjoyed!
 
「人生は必要以上に怖がらなければ、美しく素晴らしいものなのだよ。だから、人生そのもののために戦うんだ。生きて、苦しみ、楽しむんだ!」
 
there’s something just as inevitable as death and that’s life. Life! life! life! Think of the power that’s in the universe. Moving the earth, growing the trees. And that’s the same power within you.If you’d only have courage and the will to use it.
 
「君は病気と死についてばかり考えているが、避けられないものは死だけじゃない。生もそうだ。人生!命!生命さ!宇宙にあるパワーを思い浮かべてごらん。それは地球を動かし、木を育てる。同じ力が君の中にもあるんだよ。その力を使うだけの勇気と意志を持つんだ」
 
 
2つ目は、女性が「All life motivated by love.How beautiful!(すべての生は愛から生まれる。なんて美しいの) 」と言ったことに対して、
 
「By no means beautiful. It certainly is. No, it’s vile, wicked, awful! But wonderful.」
 
「決して美しくない。間違いなく醜い。愛は下品で不道徳でヒドイものだ。だが、素晴らしい!」
 
 
3つ目は、すべてが虚しく何をしても意味がないと言う少女に向かって次のようなことをチャップリンは言います。
 
「What do you want a meaning for? Life is a desire. Not a meaning.」
 
「人生に一体どんな意味を求めてるんだい?人生というのは願望なんだ。意味じゃない」
 
 
以上、紹介したすべてのセリフは本作「ライムライト」の前半部分だけの中に登場します(笑)どれだけ多くの人生の知恵がこめられた映画なのでしょう!
 
酸いも甘いも知り尽くした晩年のチャップリンが情熱的に、ユーモラスに、そして真摯に語りかけてくれるんです。贅沢なエール映画でしょ☆
 
なお、残念ながら不思議にも「ライムライト」の予告編は英語版も日本語版も見つかりませんでした。
 
ちなみに1つ目のセリフは、三谷幸喜さんのドラマ「今夜、宇宙の片隅で」でも紹介されてます。
 
 
チャップリンのすごいところは、監督も主演も音楽もこなしてしまう万能なところ。エンタメ界のダヴィンチみたいで(笑)、映画音楽も作曲しています。例えば、チャップリンが作曲した曲で一番有名なのは、映画「モダン・タイムス」で使われた「Smile」という曲でマイケル・ジャクソンなどもカバーしているくらいです♪
 
「ライムライト」の音楽も素晴らしくて、「The Spring Song」などのコント用のオモシロ曲から、感動的でスケールの大きいテーマ曲まであります。中でも、「テリーのテーマ」という曲は、とても素敵ですよ☆テリーというのはヒロインの役名です。
 
なおこの曲は、1972年度(授賞式は1973年開催の第45回)のアカデミー作曲賞を受賞しています。え?なんで1952年の映画音楽が20年も経った1972年度のアカデミー作曲賞に輝くの?と思うでしょうが、実はアメリカで公開されたのは1972年だから。
 
理由は「ライムライト」を作り終え、ロンドンでのプレミアを行うためイギリスへ向かっている途中にアメリカから国外追放されてしまったからです。FBI初代長官エドガー・フーヴァーとの対立のためですね。
 
そのためチャップリンにアメリカが謝罪した20年後になってやっと公開されたというわけです。日本やその他の国ではとっくに公開されていましたが、アメリカ公開に合わせて日本でも1973年にリバイバル上映をしたみたいです。このあたりのことについてもっと詳しく知りたい方は「チャップリンのすべて」ページに記載しておきましたのでご覧下さい。
 
ちなみに正確には、この前年の1971年度のアカデミー賞受賞式(1972年開催の第44回)にてチャップリンに名誉賞が授与されています。
 
アカデミー賞を運営している映画芸術科学アカデミーのYouTube公式チャンネルに、アメリカと和解したチャップリンがアカデミー賞に出席して名誉賞を受賞した時のスピーチ映像が公開されていますので紹介しときます。(プレゼンターを務めた俳優ジャック・レモンが約3分弱の紹介をしてから、チャップリンが登場します)

紹介がおくれましたが、ヒロイン役はクレア・ブルームという女優さんで、ものすごく美しい女性です。この方は2014年6月現在もご存命で、最近だとアカデミー作品賞に輝いた2010年公開の映画「英国王のスピーチ」で、コリン・ファースが演じた主人公のお母さん(メアリー王太后)役で出演していました。「ライムライト」が初めてのヒロイン役(主演)だそうです。これまでに結婚を3度、離婚も3度しているようです。
 
また「ライムライト」には、チャップリンの実の子供が4人出演しています。そのうち3人はオープニングにアパートの外で遊んでいる3人の子供たちを演じています。ジェラルディン・チャップリン、ジョセフィン・チャップリン、マイケル・チャップリンの3人です。このうちジェラルディンは後に女優となり、映画「ドクトル・ジバゴ」やチャップリンの自伝映画「チャーリー」でチャップリンの母親のハンナ役を演じました。2014年6月現在で69歳です。
 
さらに、もう1人の子供は準主役とも言うべき音楽家の青年を演じたシドニー・チャップリン。作中、この青年とヒロインのテリーは恋に落ちるという設定になっています。シドニー・チャップリンは残念ながら2009年に満82歳で亡くなっています。
左からクレア・ブルーム、バスター・キートン、ジェラルディン・チャップリン↓

 
 

そしてもう1人、「ライムライト」に出演した忘れてはいけない俳優がいます。それは当時チャップリンとライバル関係にあるとされてきた喜劇俳優バスター・キートンです。バスター・キートンといえば、チャップリン、ハロルド・ロイドと並んで「世界の三大喜劇王」と称されている1人です。
 
そんなバスター・キートンが当時、金銭的に困窮しているという噂を聞きつけたチャップリンが救いの手を差し伸べて作品への出演をオファーしたんだそうです。ライバルだった2人の豪華共演コメディ舞台が「ライムライト」の中に1つの見せ場として用意されていますが、おかしくてゲラゲラ笑えますよ(笑)
 
チャップリンの生きることへの希望、情熱、願望などが詰った名画中の名画「ライムライト」。大変オススメな元気が出る映画の1本です☆
 
 
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チャップリン、キャプラ、ルビッチ&ワイルダー時代

大好きな映画監督TOP3を教えて下さいと言われたら、誰を挙げますか?
 
私は、チャールズ・チャップリン、 フランク・キャプラ、 エルンスト・ルビッチ、ビリー・ワイルダーの4人を挙げます。
 
TOP3なのに4人?と思われるかもしれませんが、迷いに迷った結果、ルビッチとワイルダーは師弟関係ということもありますので同率3位ということで、おおめに見て下さい<(_ _)>(笑)
 
古今東西、他にもたくさんの大好きな監督はいます。もちろん、日本の映画監督にだってお気に入りの監督はいます。
 
でも、映画の都、エンターテイメントの聖地と言えば、やはりアメリカ・ハリウッドで活躍してこそ本物だと思っていますし、ハリウッドの文化的ニオイが僕の好みに合っているんですね♪おおざっぱに言ってしまえば、娯楽的要素の強い文化かな☆
 
娯楽(エンタメ)色の強い映画はアメリカ、芸術性に富んだ映画はヨーロッパ、アニメは日本、こんな印象があります。
 
どれが良い悪いではなく、単純に相乗効果で、お互いが刺激し合いながら、ますます面白い作品がたくさん生まれてくれたら最高だなと思っています。
 
そして、そんな映画文化の中でも特にチャールズ・チャップリン、フランク・キャプラ、エルンスト・ルビッチ、ビリー・ワイルダー監督の4人は、エンタメの中心地ハリウッドから世界中に、すさまじい影響力を与えました。
 
今世紀に至ってもなお多くの人から愛され続けています。
 
アメリカで何年か前にアメリカ映画協会(American Film Institute:以下AFI)から選ばれた「元気をくれる映画(100 Cheers)」でNO1に輝いたのはフランク・キャプラ監督が1946年に撮った「素晴らしき哉、人生!」でした。
 
また、ビリー・ワイルダー監督については、今なおワイルダーファンであることを明言している映画監督も多く、マリリン・モンローやジャック・レモン、オードリ・ヘプバーン、マレーネ・ディートリッヒ、シャーリー・マクレーンなど数々のスターとコンビを組み、娯楽映画と呼ばれる分野を徹底して楽しませてくれました。中でもマリリン・モンローを一躍大スターに育て上げた監督と言っても過言ではないでしょう。
 
そんなワイルダーが師と仰いでいたのがエルンスト・ルビッチ。ワイルダーは仕事場の壁に「ルビッチならどうした?(How would Lubitsch have done it)」という文字を飾っている程ルビッチを敬愛していたようです。ルビッチの映画は今観ても他の監督の作品では味わえないようなポカポカしたあたたかさであふれています。
 
そして今なお、やはりリメイクされていますね。
 
チャップリンに至っては映画やコメディの代名詞ともいえ、今だに彼の伝記映画がつくられ、真似をするコメディアンが現れ、作曲した曲がカバーされ、そしてもちろん愛され続けている伝説的な人物です。彼の作品は今なお世界中の人に愛と勇気と夢を与えてくれています。
 
まさに、ハリウッド黄金期を盛り上げた歴史的な映画監督達と言えるでしょう。映画がなくならない限り忘れ去られることもない名作ばかりを残してくれた偉人達です。
 
そんな4人の監督ですが、さらにすごいのはこの4人が活躍した時代です。
 
なんと、ほぼ同時期に活躍しているんです!これはすごいことだと思います。初めて知った時にはすごくビックリしました。だって、僕の大好きな監督4人が同じ時代に生まれて活躍していたのですから!
 
1889年-1977年  チャーリー・チャップリン
1892年-1947年  エルンスト・ルビッチ
1897年-1991年  フランク・キャプラ
1906年-2002年  ビリー・ワイルダー
 
つまりチャップリンが45才の時、エルンスト・ルビッチは42才で、フランク・キャプラは37才で、ビリー・ワイルダーは28才だったということになります。
 
また面白いことに、4人ともハリウッドで活躍したにも関わらず、全員がアメリカ以外の生まれなんですね。
 
 
・チャップリンはイギリスはロンドンの生まれですが、アメリカの映画会社からスカウトされ渡米してきました。
 
・フランク・キャプラはイタリアはシチリア島生まれですが、小さい頃に家族と共にアメリカへ移住してきました。
 
・エルンスト・ルビッチはドイツ出身ですが、女優のメアリー・ピックフォードに招待されハリウッド入りしました。
 
・ビリー・ワイルダーはオーストリア生まれですが、戦争のためにアメリカへ亡命してきました。
 
 
そんな、言ってみれば外国人だった4人によって、アメリカのハリウッド黄金期が支えられることになるなんて面白いものですね。
 
せっかくなので4人の作品年表を作ってみました。
 
(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大します)
 
chaplin_capra_wilder
 
 
彼らの作品の特徴は、どれも人間の普遍的な感情を表現しているということです。
 
だからこそ、もう半世紀以上も前に製作された映画が今なお時代を超え、国籍を超えて多くの人の心に響き、癒してくれる映画、元気をくれる映画として愛され続けているのだと思います。
 
彼らの作品の中には、興行的に失敗した作品もありますが(例えば、なんと「素晴らしき哉、人生!」は公開当時は以外にも興行的に失敗しています)、その作品が何年も経った後で見直され、あるいはリメイクされたりもしている。やっぱり良いものは良いんですね。
 
国が変わろうが、時代が変わろうが、人間である以上、本質的なことは変わらずに時を超越して映画を通して心が通じ合えているのが、とっても嬉しいですね☆
 
極論かもしれませんが、例えばチャップリン映画(特にサイレント作品)を見て原始人だって感動できるんじゃないかと想像してみたりします(笑)
 
そんなわけで、僕は白黒(モノクロ)だろうが、3Dだろうが、劇場で観ようがネットで見ようが、あまりこだわっていません。古い作品か新作か、デジタルかアナログか、ネオレアリズモなのかアメリカン・ニューシネマなのか、そんなことはどうでもいいと感じています。
 
大事なのは物語で描かれている人間の心の部分から何かを感じとって楽しむということ。それこそが映画を観る醍醐味じゃないかなと考えているからです。
 
みなさんも、古い映画を観てみたり、今まで観た事がなかった国の映画を観るなど、ぜひ様々な映画作品に触れて観て下さいね。
 
僕的にはまずは、フランク・キャプラチャールズ・チャップリンエルンスト・ルビッチ、そしてビリー・ワイルダーをオススメします♪
 
彼らの映画こそが映画の元を作っていると言っても過言ではないくらい、多くの映画監督に影響を与えているからです。
 
第二次世界大戦という悲劇的な激動の時代の中で生まれた、人類の希望、エール、まさに天才達です。
 
 
フランク・キャプラの映画で特にオススメな5本+α

素晴らしき哉、人生!  ・「素晴らしき哉、人生!
  ・「スミス都へ行く
  ・「或る夜の出来事
  ・「群集
  ・「我が家の楽園
  ※キャプラの生涯を描いたドキュメンタリー番組
  ・「フランク・キャプラのアメリカン・ドリーム
 
  → Re:playサイト内のフランク・キャプラ監督のページはこちら
 

チャーリー・チャップリンの映画で特にオススメな5本+α

殺人狂時代  ・「殺人狂時代
  ・「ライムライト
  ・「街の灯
  ・「ニューヨークの王様
  ・「モダンタイムス
  ※チャップリンの自伝本(上巻)(下巻)
  +自伝をもとに製作された映画「チャーリー
 
  → Re:playサイト内のチャーリー・チャップリン監督のページはこちら
 

エルンスト・ルビッチの映画で特にオススメな5本+α

街角 桃色の店  ・「街角 桃色の店
  ・「天国は待ってくれる
  ・「生活の設計
  ・「ニノチカ
  ・「結婚哲学
  ※エルンスト・ルビッチ傑作選 DVD-BOX
  ・「エルンスト・ルビッチ傑作選 DVD-BOX
 
  → Re:playサイト内のエルンスト・ルビッチ監督のページはこちら
 

ビリー・ワイルダーの映画で特にオススメな5本+α

七年目の浮気  ・「七年目の浮気
  ・「アパートの鍵貸します
  ・「お熱いのがお好き
  ・「情婦
  ・「麗しのサブリナ
  ※ワイルダーにキャメロンクロウ監督がインタビューした有名な本
  ・「ワイルダーならどうする?
 
  → Re:playサイト内のビリー・ワイルダー監督のページはこちら
 
 
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