映画「殺人狂時代」は1947年公開のチャップリン映画です。
が、しかし舞台に踊りながら登場したとたん、腕を勢いよく振り回しすぎてカンニングカードがどこかへ飛んでいってしまいます。そこで仕方なくデタラメな歌詞で歌いはじめた歌なんですね(笑)
チャップリンは作曲を独学で学んだそうですが、それにしても、すごく美しい曲が多いです。これはとても驚きです。才能がどうのこうのと言って二の足を踏む前にやってしまっている、それがチャップリンなんですね(笑)
あと、チャップリンは若い頃は働きに働き、初期には膨大な数のコメディ短編映画を発表しています。この編の無声映画はスカパー!などでも放送されたことがあるみたいです。昔、たしかNHKでも深夜にやってたんじゃなかったかな?
晩年の作品は、どれも、もちろん大笑いもできるけど、扱っているテーマは結構シリアスで、人間の幸福などについて情熱的に語りかけてくるような熱い作品が多いんですよ。
名画「街の灯」は感動的な長編映画ですし、「モダン・タイムス」は失業者が増え機械が人間から職を奪っていく世の中に元気を与えたくて作ったエール映画になっていますからね。
蛇足ですが「街の灯」のプレミアイベントでは、あの相対性理論で有名な宇宙物理学者のアインシュタインを招待しており、なんと、チャップリンとアインシュタインのツーショット写真も残っています!
さらに、それ以降の作品などでは、もう浮浪者の格好さえしておりません。例えば、「殺人狂時代」は僕的に一番好きなチャップリン作品なのですが、第二次世界大戦時代を生きたチャップリンが戦争や利己的な愛について強烈な警鐘を鳴らし、大切なメッセージをいくつも語っています。
例えば「1人を殺せば殺人者と言われ、大勢を殺せば英雄と呼ばれる。数が殺人を神格化するんだ」という戦争批判のセリフが登場しますが、奇しくも作家ドストエフスキーも「罪と罰」の中で同じセリフを書いています。
また作中「自分の家庭が幸せならば他人はどうでもよい」という行き過ぎた盲目的な愛の恐ろしさについても言及しています。参考までに、こちらは似たような真意をテーマにして、太宰治が「家庭の幸福」で「家庭の幸福は諸悪の根源」という、現代でも他に類をみないような独特なテーマを、わかりやすい物語で説いています。
「人生に必要なのは、勇気と想像力と少しのお金だけ」というセリフは、あまりにも有名でしょう。さらに、この作品の中に出てくるチャップリンからのエール、生きる知恵は他にもたくさんあります。
ここではその中から2つだけ紹介しておきますね。
「人生に意味を求めて何になるんだい?人生は願望だ!意味じゃない」
「宇宙の力が、地球を動かし木を育てる。君の中にも同じ力があるんだ。その力を使う勇気と意志を持つんだ」
いずれの言葉も僕の大好きな座右の銘の1つです(´ー`)
ちなみに、「ライムライト」には、当時ライバルと呼ばれた喜劇俳優のバスター・キートンがチャップリンと夢の共演を果たしています。
これは当時バスター・キートンが経済的に困窮しているという噂を聞いたチャップリンが、何かの助けになればということで持ちかけた話だとか☆
チャップリンは戦争や政治というタブーに正面から立ち向かい、素晴らしいエール映画を何本も残してくれているんですね。
余談ですが、「殺人狂時代」は、あの映画「市民ケーン」で有名な天才監督オーソン・ウェルズから持ちかけられた話だったようですよ!
余談ついでに、チャップリンの「独裁者」のラストでヒトラーと間違われたチャップリン扮する床屋の男が素晴らしいスピーチをします。
全文の日本語訳はNAVERまとめに載ってますのでそちらをどうぞ。
チャップリンの驚くべき事実の最後としては、その人生があまりにも波乱万丈だったということです。
そもそもハリウッドで活躍したイメージがありますが、実は生まれはイギリスのロンドンです。若い頃にマック・セネットという喜劇映画人に誘われて渡米します。
それまでは母親とお兄さんの3人家族でとても貧しい生活を送っていました。やがてイギリスである程度舞台人として喜劇人として名前が売れてきた時にマック・セネットから映画をやらないかと声がかかった、という訳です。
あなたの周りの友人で、極貧から成功して外国へ招待された人が何人いますか?これだけでもすごいのに、なんと、ここからさらに波乱万丈な人生が始まります(笑)
チャップリンは、アメリカに渡った後とにかくよく働き、どんどんとスターダム街道を進んでいきます。たしか30才になる前には自分のスタジオを持って独立した成功者となっています。
「ライムライト」 1952年 原題:Limelight |
「殺人狂時代」 1947年 原題:Monsieur Verdoux |
「街の灯」 1931年 原題:City Lights |
少しだけどんなお話か紹介すると、
「ライムライト」は、チャップリン扮する落ちぶれたコメディアンの老人が自殺未遂を図ろうとしたバレリーナを助けたところからはじまります。生きる希望を取り戻させるため、チャップリンが様々な話や情熱を少女に傾ける様は観ていて僕らもたくさんの勇気と希望をもらえます。
「殺人狂時代」は、コミカルで早い展開ながら、愛やお金についての様々な英知がふんだんに盛り込まれています。一方、戦争や人生について考えさせられる深いテーマも盛り込まれた素晴らしい作品です。
「街の灯」は、浮浪者スタイルの中でもベスト3に入る名作です。盲目の女性に恋をしたチャップリンが心機一転して働きだし、目の手術代を稼ごうと奮闘する物語です。
また、上記以外にも歴史に残る程の名作がたくさんあります。
「モダン・タイムス」 1936年 原題:Modern Times |
「ニューヨークの王様」 1957年 原題:A King in New York |
「キッド」 1921年 原題:The Kid |
「黄金狂時代」 1927年 原題:The Gold Rush |
「独裁者」 1940年 原題:The Great Dictator |
「伯爵夫人」 1967年 原題:A Countess from Hong Kong |
ちなみに、最後の作品で唯一のカラー映画「伯爵夫人」の主演はソフィア・ローレンとマーロン・ブランドという豪華キャストになっています。ついこないだミュージカル映画「NINE」に出演していたソフィア・ローレンはチャップリン映画のヒロインだったのですね!そんな方がまだ生きていてしかも現役で映画に出演しているなんて・・・う~ん、すごいなぁ☆
チャップリン映画には人生を楽しく生きる英知で溢れています。僕は寂しくなったり、悩んだ時には必ずといってもいいくらいチャップリン監督の映画に癒してもらい、元気をもらっています。
◆チャップリン自身の人生を知りたい方へ☆
作品それぞれの詳しい解説はそれぞれの個別作品解説ページに任せるとして、
さらにチャップリン自身の人生についてもっと知りたい!という方にオススメなのが「チャーリー」という映画で、これはチャップリンの自伝本に基づいた伝記映画です。主演はロバート・ダウニーJrで、チャップリンの人生を疑似体験できるうえに、物語として観てもすごく面白い映画になっています。
また晩年に出版した自伝「チャップリン自伝(上巻)」と「チャップリン自伝(下巻)」があります。日本語訳も出版されていますので、ぜひオススメです。裏話やチャップリンの愛や幸せについての考えが読めちゃいます。また、アルバート・アインシュタイン博士とのツーショット写真やガンジー、バーナード・ショーなど様々な偉人達とのエピソードなんかもすごい!と驚嘆しちゃいますよ♪
それともう1冊オススメなのが、毎日新聞社から出版された淀川長治さんが中心になってチャップリンを語っているマニアックかつ貴重な写真付ムック「チャップリンのすべて」があります。
この本では淀川さんが実際にチャップリンに逢って話た時のエピソードや、スティックがメイド・イン・ジャパンだった事実など面白い内容が盛りだくさんです。すごい内容ですよ。
山田洋次監督と淀川さんの対談なんかも入っています♪この2人でチャップリンを語っているなんて夢のビッグ対談ですね!
ちょこっとだけ目次を紹介すると、
・チャーリースタイルの誕生
・素顔のチャールズ・チャップリン
・愛する、食べる、働く
・作品カタログ
・チャーリーをめぐる美しき女性たち
・ビッグ対談 淀川長治×山田洋次
・チャップリン年表
などなど、他にも大変貴重な内容が目白押しです☆
まとめて作品を購入したい方は「チャップリン・メモリアル・エディション BOX」シリーズが1~4ぐらいまで発売されていますのでオススメです。
ちなみに、各BOXに収録されている内容は下記のとおりです。もちろん特典DISCも満載です!
・BOX1
「街の灯(2枚組)」
「ライムライト(2枚組)」
「ニューヨークの王様(2枚組)」
・BOX2
「殺人狂時代(2枚組)」
「黄金狂時代(2枚組)」
「チャップリン短編集I(1枚組)」
・BOX3
「独裁者(2枚組)」
「巴里の女性(2枚組)」
「チャップリン短編集II(1枚組)」
・BOX4
「サーカス(2枚組)」
「モダンタイムス(2枚組)」
「キッド(2枚組)」
さて、ざっと書いてきましたがチャップリンについてはまだまだ知りたいことが多いので、新しい発見があったら随時このページに追記していくつもりです。
———- ↓追記(09.10.’14)ここから↓ ———-
ああ、ついに!ついに!チャップリンの安いDVDが発売になったぁ~!!!
古典映画に関しては大部分の作品が500円とか300円で売られるようになっているのに、著作権の問題なのかなんなのか、チャップリン作品についてはなぜか50年以上経った作品も今までは高額でした。
しかし!ついにAmazonで1枚500円台で売られています!!!絶対買いだぜ!!待ってたぜぃ~!しかも、発売されたのは「これだけ観ればチャップリンは十分」というくらいの代表作ばかりです☆
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◆キーストン時代
1914年『成功争ひ』Making a Living
1914年『ヴェニスの子供自動車競走』Kid Auto Races at Venice
1914年『醜女の深情』Tillie’s Punctured Romance(監督マック・セネット、アメリカ映画初の長編コメディ)
◆エッサネイ時代
『チャップリンの拳闘』(1915)のオリジナル・ポスター
『チャップリンの移民』(1917)より1915年『チャップリンの拳闘』The Champion
1915年『チャップリンの駈落』A Jitney Elopement
1915年『チャップリンの失恋』The Tramp
1915年『チャップリンの掃除番』The Bank
1916年『チャップリンのカルメン』Burlesque on Carmen
1916年『チャップリンの悔悟』Police
◆ミューチュアル時代
1916年『チャップリンの替玉』The Floorwalker
1916年『チャップリンの消防夫』The Fireman
1916年『チャップリンの放浪者』The Vagabond
1916年『午前一時』One A.M.
1916年『チャップリンの伯爵』The Count
1916年『チャップリンの番頭』The Pawnshop
1916年『チャップリンの舞台裏』Behind the Screen
1916年『チャップリンのスケート』The Rink
1917年『チャップリンの勇敢』Easy Street
1917年『チャップリンの霊泉』The Cure
1917年『チャップリンの移民』The Immigrant
1917年『チャップリンの冒険』The Adventurer
◆ファースト・ナショナル時代
1918年『犬の生活』A Dog’s Life
1918年『公債』The Bond
1918年『担へ銃』Shoulder Arms
1919年『サニーサイド』Sunnyside
1919年『一日の行楽』A Day’s Pleasure
1921年『キッド』The Kid
1921年『のらくら』The Idle Class
1922年『給料日』Pay Day
1923年『偽牧師』The Pilgrim
◆ユナイテッド・アーティスツ時代
1923年『巴里の女性』A Woman of Paris(監督のみ、主演=エドナ・パーヴァイアンス)
1925年『黄金狂時代』The Gold Rush
1928年『サーカス』The Circus
1931年『街の灯』City Lights
1936年『モダン・タイムス』Modern Times
1940年『独裁者』The Great Dictator
1942年『黄金狂時代』サウンド版(1925年の『黄金狂時代』にチャップリン自身の作曲とナレーションを施したもの)
1947年『殺人狂時代』Monsieur Verdoux
1952年『ライムライト』Limelight
◆イギリスでの作品他
1957年『ニューヨークの王様』A King in New York
1959年『チャップリン・レヴュー』The Chaplin Revue
(「犬の生活」「担へ銃」「偽牧師」3本をまとめチャップリン自身の作曲とナレーションを施し再編集した映画)
1967年『伯爵夫人』A Countess from Hong Kong(監督のみ、唯一のカラー作品、主演=ソフィア・ローレン、マーロン・ブランド)
作品年表については、もうひとつ、なんとチャップリンが活躍した時期は偶然にもフランク・キャプラとエルンスト・ルビッチとビリー・ワイルダー監督という僕の大好きな、というか映画史上最も偉大な4人の天才が同時期に活躍したというすごい時期なんですね。
そういう意味でチャップリンだけでなく、キャプラ、エルンスト・ルビッチと、ワイルダーも合わせた4人の代表作品年表も作成しましたので興味のある方はぜひ参考に見てみて下さい。
(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大表示します)
(画像をクリックすると拡大します)
◆チャップリンに関するトリビア☆
・チャップリンの有名なステッキは、日本産で、滋賀県産の竹で作られており、しなりが強い。
・運転手(後に秘書)に高野虎市を採用し、家の使用人が一時期すべて日本人で占められていた時があった。2番目の夫人であるリタ・グレイはこの様子を「まるで日本人の中で暮らしているかのよう」と評したらしい。 ・54歳の時、18歳のウーナ・オニール(劇作家ユージン・オニールの娘)と結婚し、8人の子供をもうけた。 ・「独裁者」の最後の演説シーンは’世紀の六分間’とも呼ばれ、教科書に載った程素晴らしいとされている。 ・亡くなる直前まで、ミュージカル映画を作ろうとしていた。題名は「フリークス」女性天使の羽が壊れて地球に落ちてくるという話だったらしい。 ・淀川長治さんのお気に入りベスト1の映画は「黄金狂時代」だそうです。ちなみに黒澤明監督も「黄金狂時代」を「100本の名作」の中で4位としています。 ・日本橋の「花長」では海老の天ぷらを36尾も食べたという。 ・晩年誰とも会わずスイスに隠棲していたチャップリンに、幸運にも接する機会を得た日本人に、萩本欽一、前橋汀子がいる。 ・2006年に日本チャップリン協会が設立された。名誉会長は黒柳徹子、最高顧問にジョゼフィン・チャップリン、名誉顧問に山口淑子が就任。呼びかけ人に大野裕之らが名を連ねており、本部は京都大学にある。 ・手塚治虫は、生前「どうすれば、人々の記憶に残る漫画が描けるのですか?」という質問に対して「とにかくチャップリンの映画を観ろ。あれにすべての答えがある」と決まって答えている。自著においても、ウォルト・ディズニーと同等にチャップリンを敬愛している旨を述べている。 |
古典映画、白黒映画、名作、クラシック映画・・・、呼び方は色々ありますが僕は古い映画が大好きです♪
このページではそんな大好きな古典映画から、現代までの映画史を作品中心にざっと観て行きましょう☆
まずは映画というものがいつ頃に発明されたのかを知っておきましょう。
映画というか映写機が発明されたのは1900年よりも数年前くらいです。アメリカのエジソンやフランスのリュミエール兄弟らがそれぞれ競い合うように開発に尽力していた時代です。
ちなみに最初はモノクロ(白黒)の映像だけで、音声はナシのいわゆるサイレンス映画(無声映画)というものでした。
それでも、リュミエール兄弟がパリで初めて行った試写会では、汽車が迫ってくる映像を見て観客達は逃げ出そうとしたくらい衝撃的だったそうです。
・1900年代
この時代に有名な映画と言えば、元マジシャンで世界で最初の職業映画作家でもあるジョルジュ・メリエスが作った初めてのSF映画「月世界旅行」です。1902年にフランスで公開されました。
また、アメリカではエドウィン・ポーター監督による物語性のある作品『大列車強盗』が制作・公開されました。これが初の西部劇です。
ちなみに、この頃にはニッケルオデオンという、映画館内で上映中に、映像と合わせてオルガンやピアノで伴奏をつけるという形式の庶民向けの安い映画館もたくさん出現しています。ニッケルとは5セント硬貨の意味で、オデオンとは屋根付劇場というギリシャ語です。最初はペンシルベニア州ピッツバーグにオープンしたと言われています。
また、映画の業界雑誌「VARIETY」誌が創刊されたのもこの時期です。
1908年にはトーマス・エジソンらが映画の撮影・上映・配給の特許を管理する会社モーション・ピクチャー・パテンツ・カンパニー(Motion Picture Patents Company:略してMPPC)を設立します。事業を統括して映画産業を独占しようとしたんですね。エジソンは発明王としてはすごいですが、ビジネスマンとしては少々強引な気配がありますな(汗)
・1910年代
さて、さらに1915年にはアメリカの映画監督D・W・グリフィスが「國民の創生」を製作します。この映画では初のクローズアップなど様々な映画技法を発明し「映画の父」と呼ばれるようになります。
何を隠そう、このグリフィスこそ、ダグラス・フェアバンクスとメアリー・ピックフォードの師匠であり、その後この3人とチャップリンの4人でユナイテッド・アーティスツという映画会社を設立した人物です。
また、グリフィス映画の俳優でアシスタントだったマック・セネットが、借金をしていた相手に「グリフィスの映画より儲かる映画が作れる」と話を持ちかけ、さらなる投資を得てキーストン撮影所をたちあげる。ここで「キーストン・コップス」や「水着美人」などのヒット・コメディ映画が生まれ「笑いの工場」と呼ばれるようになる。
このマック・セネットこそがチャップリンを発掘した人物であり、キーストン撮影所でチャップリンの有名な「浮浪者スタイル」も確立されました。
・1920年代
1920年代にはセルゲイ・エイゼンシュテインが、1つのシーンを複数の視点(カメラ)からとらえるというモンタージュ理論に基づき「戦艦ポチョムキン」を制作します。
1925年にはチャップリンの「黄金狂時代」が公開。
さらに1927年、アメリカで世界初のトーキー(音声付の映画)「ジャズ・シンガー」(アラン・クロスランド監督)が公開されます。1929年にはアカデミー賞が始まりウィリアム・A・ウェルマンの「つばさ」が初の受賞作品となりました。またF・W・ムルナウの「サンライズ」という作品が芸術作品賞を受賞しました。
・1930年代
1930年「嘆きの天使」が公開されマレーネ・ディードリッヒが衝撃的なハリウッド・デビューをします。
1932年オールキャスト映画「グランド・ホテル」が公開されて大ヒットする。翌年1933年には、最初のドライブイン・シアターがニュージャージ州カムデンにオープンします。
1934年にはフランク・キャプラ監督の「或る夜の出来事」を皮切りに、アメリカでスクリューボール・コメディが大流行します。
1937年ウォルト・ディズニーが3年を費やし製作した世界最初の長編カラーアニメ「白雪姫」が公開され、800万ドルもの興行成績を記録しました。
1939年エルンスト・ルビッチ監督の作品「ニノチカ」でめったに作中で笑うシーンを撮らなかったグレタ・ガルボの笑わうシーンを初めて盛り込む。
同年「風と共に去りぬ」が公開され大ヒットを記録します。大スターを起用して莫大な制作費と宣伝費をかけるといういいわゆる<ブロックバスター映画>のきっかけとなります。「オズの魔法使」が公開されて、ジュディー・ガーランドがMGMの看板スターとなります。
・1940年代
1940年には、チャップリンが「独裁者」を製作してナチズムを痛烈に批判します。1941年、オーソン・ウェルズが初の映画「市民ケーン」を発表。1942年「カサブランカ」が公開される。
1945年ニューロティック(精神異常)映画のはしりとなったビリーワイルダー監督の「失われた週末」が公開される。1946年アルフレッド・ヒッチコック監督「汚名」公開。同年MGM社製作のミュージカル「踊る大紐育」が公開される。
・1950年代
1952年サイレント時代にはライバルだった、チャールズ・チャップリンとバスター・キートンが「ライムライト」で初共演を果たす。同年ミュージカル映画の金字塔「雨に唄えば」が公開される。
1953年「ローマの休日」が公開され、オードリー・ヘプバーンがハリウッド・デビューを果たす。
1955年ビリー・ワイルダー監督、マリリン・モンロー主演の「七年目の浮気」が公開される。
・1960年代
1960年アフルレッド・ヒッチコック監督「サイコ」が公開される。1962年、48人ものスターを起用してノルマンディ上陸作戦を完全に再現した「史上最大の作戦」が公開される。
1965年「サウンド・オブ・ミュージック」が興行記録を塗り替える程の大ヒットを記録する。1968年「2001年宇宙の旅」が公開され、SF映画が一変するような衝撃を与える。
・1970年代
1977年ジョージ・ルーカス監督の「スター・ウォーズ」が大ヒットする。
・1980年代
1980年大長編ドラえもん第1作「ドラえもん のび太の恐竜」が公開される。この年より大長編ドラえもんは25年連続で公開されました。
・1990年代
1993年、スティーブン・スピルバーグ監督が「ジュラシック・パーク」を公開する。
・2000年代
2000年代に入るとHD24Pというデジタル・ビデオカメラの登場に伴いデジタルシネマの動向が活発化しはじめ、
フィルムとビデオとの基本的な表示方式の違い(フィルムは24コマ/秒のプログレッシブで、ビデオは30コマ/秒のインターレース)によりテレシネという加工段階を経なければならずこれが大きな足枷になっていたのですが、HD24Pはフィルムと同じ形式での記録が可能であるためテレシネ加工が不要で、ダイレクトにデジタル加工(プルダウン)が可能という画期的な商品が発明されます。
2009年ジェームズ・キャメロン監督による「アバター」が公開され3D映画が大ヒットする。
ざっとこんなところでしょうか。
もっと細かく紹介していってしまうと、膨大な文字量になってしまい、読むのが大変になってしまうので割愛しましたが、世界的に人気を博していて、信頼に足るとの評価を得ている人気の映画厳選本としては
スティーヴン・ジェイ-シュナイダさんという方が書いた以下3冊がオススメです。
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大好きな映画監督TOP3を教えて下さいと言われたら、誰を挙げますか?
私は、チャールズ・チャップリン、 フランク・キャプラ、 エルンスト・ルビッチ、ビリー・ワイルダーの4人を挙げます。
TOP3なのに4人?と思われるかもしれませんが、迷いに迷った結果、ルビッチとワイルダーは師弟関係ということもありますので同率3位ということで、おおめに見て下さい<(_ _)>(笑)
古今東西、他にもたくさんの大好きな監督はいます。もちろん、日本の映画監督にだってお気に入りの監督はいます。
でも、映画の都、エンターテイメントの聖地と言えば、やはりアメリカ・ハリウッドで活躍してこそ本物だと思っていますし、ハリウッドの文化的ニオイが僕の好みに合っているんですね♪おおざっぱに言ってしまえば、娯楽的要素の強い文化かな☆
娯楽(エンタメ)色の強い映画はアメリカ、芸術性に富んだ映画はヨーロッパ、アニメは日本、こんな印象があります。
どれが良い悪いではなく、単純に相乗効果で、お互いが刺激し合いながら、ますます面白い作品がたくさん生まれてくれたら最高だなと思っています。
そして、そんな映画文化の中でも特にチャールズ・チャップリン、フランク・キャプラ、エルンスト・ルビッチ、ビリー・ワイルダー監督の4人は、エンタメの中心地ハリウッドから世界中に、すさまじい影響力を与えました。
今世紀に至ってもなお多くの人から愛され続けています。
アメリカで何年か前にアメリカ映画協会(American Film Institute:以下AFI)から選ばれた「元気をくれる映画(100 Cheers)」でNO1に輝いたのはフランク・キャプラ監督が1946年に撮った「素晴らしき哉、人生!」でした。
また、ビリー・ワイルダー監督については、今なおワイルダーファンであることを明言している映画監督も多く、マリリン・モンローやジャック・レモン、オードリ・ヘプバーン、マレーネ・ディートリッヒ、シャーリー・マクレーンなど数々のスターとコンビを組み、娯楽映画と呼ばれる分野を徹底して楽しませてくれました。中でもマリリン・モンローを一躍大スターに育て上げた監督と言っても過言ではないでしょう。
そんなワイルダーが師と仰いでいたのがエルンスト・ルビッチ。ワイルダーは仕事場の壁に「ルビッチならどうした?(How would Lubitsch have done it)」という文字を飾っている程ルビッチを敬愛していたようです。ルビッチの映画は今観ても他の監督の作品では味わえないようなポカポカしたあたたかさであふれています。
そして今なお、やはりリメイクされていますね。
チャップリンに至っては映画やコメディの代名詞ともいえ、今だに彼の伝記映画がつくられ、真似をするコメディアンが現れ、作曲した曲がカバーされ、そしてもちろん愛され続けている伝説的な人物です。彼の作品は今なお世界中の人に愛と勇気と夢を与えてくれています。
まさに、ハリウッド黄金期を盛り上げた歴史的な映画監督達と言えるでしょう。映画がなくならない限り忘れ去られることもない名作ばかりを残してくれた偉人達です。
そんな4人の監督ですが、さらにすごいのはこの4人が活躍した時代です。
なんと、ほぼ同時期に活躍しているんです!これはすごいことだと思います。初めて知った時にはすごくビックリしました。だって、僕の大好きな監督4人が同じ時代に生まれて活躍していたのですから!
1889年-1977年 チャーリー・チャップリン
1892年-1947年 エルンスト・ルビッチ
1897年-1991年 フランク・キャプラ
1906年-2002年 ビリー・ワイルダー
つまりチャップリンが45才の時、エルンスト・ルビッチは42才で、フランク・キャプラは37才で、ビリー・ワイルダーは28才だったということになります。
また面白いことに、4人ともハリウッドで活躍したにも関わらず、全員がアメリカ以外の生まれなんですね。
・チャップリンはイギリスはロンドンの生まれですが、アメリカの映画会社からスカウトされ渡米してきました。
・フランク・キャプラはイタリアはシチリア島生まれですが、小さい頃に家族と共にアメリカへ移住してきました。
・エルンスト・ルビッチはドイツ出身ですが、女優のメアリー・ピックフォードに招待されハリウッド入りしました。
・ビリー・ワイルダーはオーストリア生まれですが、戦争のためにアメリカへ亡命してきました。
そんな、言ってみれば外国人だった4人によって、アメリカのハリウッド黄金期が支えられることになるなんて面白いものですね。
せっかくなので4人の作品年表を作ってみました。
(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大します)
彼らの作品の特徴は、どれも人間の普遍的な感情を表現しているということです。
だからこそ、もう半世紀以上も前に製作された映画が今なお時代を超え、国籍を超えて多くの人の心に響き、癒してくれる映画、元気をくれる映画として愛され続けているのだと思います。
彼らの作品の中には、興行的に失敗した作品もありますが(例えば、なんと「素晴らしき哉、人生!」は公開当時は以外にも興行的に失敗しています)、その作品が何年も経った後で見直され、あるいはリメイクされたりもしている。やっぱり良いものは良いんですね。
国が変わろうが、時代が変わろうが、人間である以上、本質的なことは変わらずに時を超越して映画を通して心が通じ合えているのが、とっても嬉しいですね☆
極論かもしれませんが、例えばチャップリン映画(特にサイレント作品)を見て原始人だって感動できるんじゃないかと想像してみたりします(笑)
そんなわけで、僕は白黒(モノクロ)だろうが、3Dだろうが、劇場で観ようがネットで見ようが、あまりこだわっていません。古い作品か新作か、デジタルかアナログか、ネオレアリズモなのかアメリカン・ニューシネマなのか、そんなことはどうでもいいと感じています。
大事なのは物語で描かれている人間の心の部分から何かを感じとって楽しむということ。それこそが映画を観る醍醐味じゃないかなと考えているからです。
みなさんも、古い映画を観てみたり、今まで観た事がなかった国の映画を観るなど、ぜひ様々な映画作品に触れて観て下さいね。
僕的にはまずは、フランク・キャプラ、チャールズ・チャップリン、エルンスト・ルビッチ、そしてビリー・ワイルダーをオススメします♪
彼らの映画こそが映画の元を作っていると言っても過言ではないくらい、多くの映画監督に影響を与えているからです。
第二次世界大戦という悲劇的な激動の時代の中で生まれた、人類の希望、エール、まさに天才達です。
◆フランク・キャプラの映画で特にオススメな5本+α
・「素晴らしき哉、人生!」
・「スミス都へ行く」
・「或る夜の出来事」
・「群集」
・「我が家の楽園」
※キャプラの生涯を描いたドキュメンタリー番組
・「フランク・キャプラのアメリカン・ドリーム」
→ Re:playサイト内のフランク・キャプラ監督のページはこちら
◆チャーリー・チャップリンの映画で特にオススメな5本+α
・「殺人狂時代」
・「ライムライト」
・「街の灯」
・「ニューヨークの王様」
・「モダンタイムス」
※チャップリンの自伝本(上巻)(下巻)
+自伝をもとに製作された映画「チャーリー」
→ Re:playサイト内のチャーリー・チャップリン監督のページはこちら
◆エルンスト・ルビッチの映画で特にオススメな5本+α
・「街角 桃色の店」
・「天国は待ってくれる」
・「生活の設計」
・「ニノチカ」
・「結婚哲学」
※エルンスト・ルビッチ傑作選 DVD-BOX
・「エルンスト・ルビッチ傑作選 DVD-BOX 」
→ Re:playサイト内のエルンスト・ルビッチ監督のページはこちら
◆ビリー・ワイルダーの映画で特にオススメな5本+α
・「七年目の浮気」
・「アパートの鍵貸します」
・「お熱いのがお好き」
・「情婦」
・「麗しのサブリナ」
※ワイルダーにキャメロンクロウ監督がインタビューした有名な本
・「ワイルダーならどうする?」
→ Re:playサイト内のビリー・ワイルダー監督のページはこちら
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