大好きな映画監督TOP3を教えて下さいと言われたら、誰を挙げますか?
私は、チャールズ・チャップリン、 フランク・キャプラ、 エルンスト・ルビッチ、ビリー・ワイルダーの4人を挙げます。
TOP3なのに4人?と思われるかもしれませんが、迷いに迷った結果、ルビッチとワイルダーは師弟関係ということもありますので同率3位ということで、おおめに見て下さい<(_ _)>(笑)
古今東西、他にもたくさんの大好きな監督はいます。もちろん、日本の映画監督にだってお気に入りの監督はいます。
でも、映画の都、エンターテイメントの聖地と言えば、やはりアメリカ・ハリウッドで活躍してこそ本物だと思っていますし、ハリウッドの文化的ニオイが僕の好みに合っているんですね♪おおざっぱに言ってしまえば、娯楽的要素の強い文化かな☆
娯楽(エンタメ)色の強い映画はアメリカ、芸術性に富んだ映画はヨーロッパ、アニメは日本、こんな印象があります。
どれが良い悪いではなく、単純に相乗効果で、お互いが刺激し合いながら、ますます面白い作品がたくさん生まれてくれたら最高だなと思っています。
そして、そんな映画文化の中でも特にチャールズ・チャップリン、フランク・キャプラ、エルンスト・ルビッチ、ビリー・ワイルダー監督の4人は、エンタメの中心地ハリウッドから世界中に、すさまじい影響力を与えました。
今世紀に至ってもなお多くの人から愛され続けています。
アメリカで何年か前にアメリカ映画協会(American Film Institute:以下AFI)から選ばれた「元気をくれる映画(100 Cheers)」でNO1に輝いたのはフランク・キャプラ監督が1946年に撮った「素晴らしき哉、人生!」でした。
また、ビリー・ワイルダー監督については、今なおワイルダーファンであることを明言している映画監督も多く、マリリン・モンローやジャック・レモン、オードリ・ヘプバーン、マレーネ・ディートリッヒ、シャーリー・マクレーンなど数々のスターとコンビを組み、娯楽映画と呼ばれる分野を徹底して楽しませてくれました。中でもマリリン・モンローを一躍大スターに育て上げた監督と言っても過言ではないでしょう。
そんなワイルダーが師と仰いでいたのがエルンスト・ルビッチ。ワイルダーは仕事場の壁に「ルビッチならどうした?(How would Lubitsch have done it)」という文字を飾っている程ルビッチを敬愛していたようです。ルビッチの映画は今観ても他の監督の作品では味わえないようなポカポカしたあたたかさであふれています。
そして今なお、やはりリメイクされていますね。
チャップリンに至っては映画やコメディの代名詞ともいえ、今だに彼の伝記映画がつくられ、真似をするコメディアンが現れ、作曲した曲がカバーされ、そしてもちろん愛され続けている伝説的な人物です。彼の作品は今なお世界中の人に愛と勇気と夢を与えてくれています。
まさに、ハリウッド黄金期を盛り上げた歴史的な映画監督達と言えるでしょう。映画がなくならない限り忘れ去られることもない名作ばかりを残してくれた偉人達です。
そんな4人の監督ですが、さらにすごいのはこの4人が活躍した時代です。
なんと、ほぼ同時期に活躍しているんです!これはすごいことだと思います。初めて知った時にはすごくビックリしました。だって、僕の大好きな監督4人が同じ時代に生まれて活躍していたのですから!
1889年-1977年 チャーリー・チャップリン
1892年-1947年 エルンスト・ルビッチ
1897年-1991年 フランク・キャプラ
1906年-2002年 ビリー・ワイルダー
つまりチャップリンが45才の時、エルンスト・ルビッチは42才で、フランク・キャプラは37才で、ビリー・ワイルダーは28才だったということになります。
また面白いことに、4人ともハリウッドで活躍したにも関わらず、全員がアメリカ以外の生まれなんですね。
・チャップリンはイギリスはロンドンの生まれですが、アメリカの映画会社からスカウトされ渡米してきました。
・フランク・キャプラはイタリアはシチリア島生まれですが、小さい頃に家族と共にアメリカへ移住してきました。
・エルンスト・ルビッチはドイツ出身ですが、女優のメアリー・ピックフォードに招待されハリウッド入りしました。
・ビリー・ワイルダーはオーストリア生まれですが、戦争のためにアメリカへ亡命してきました。
そんな、言ってみれば外国人だった4人によって、アメリカのハリウッド黄金期が支えられることになるなんて面白いものですね。
せっかくなので4人の作品年表を作ってみました。
(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大します)
彼らの作品の特徴は、どれも人間の普遍的な感情を表現しているということです。
だからこそ、もう半世紀以上も前に製作された映画が今なお時代を超え、国籍を超えて多くの人の心に響き、癒してくれる映画、元気をくれる映画として愛され続けているのだと思います。
彼らの作品の中には、興行的に失敗した作品もありますが(例えば、なんと「素晴らしき哉、人生!」は公開当時は以外にも興行的に失敗しています)、その作品が何年も経った後で見直され、あるいはリメイクされたりもしている。やっぱり良いものは良いんですね。
国が変わろうが、時代が変わろうが、人間である以上、本質的なことは変わらずに時を超越して映画を通して心が通じ合えているのが、とっても嬉しいですね☆
極論かもしれませんが、例えばチャップリン映画(特にサイレント作品)を見て原始人だって感動できるんじゃないかと想像してみたりします(笑)
そんなわけで、僕は白黒(モノクロ)だろうが、3Dだろうが、劇場で観ようがネットで見ようが、あまりこだわっていません。古い作品か新作か、デジタルかアナログか、ネオレアリズモなのかアメリカン・ニューシネマなのか、そんなことはどうでもいいと感じています。
大事なのは物語で描かれている人間の心の部分から何かを感じとって楽しむということ。それこそが映画を観る醍醐味じゃないかなと考えているからです。
みなさんも、古い映画を観てみたり、今まで観た事がなかった国の映画を観るなど、ぜひ様々な映画作品に触れて観て下さいね。
僕的にはまずは、フランク・キャプラ、チャールズ・チャップリン、エルンスト・ルビッチ、そしてビリー・ワイルダーをオススメします♪
彼らの映画こそが映画の元を作っていると言っても過言ではないくらい、多くの映画監督に影響を与えているからです。
第二次世界大戦という悲劇的な激動の時代の中で生まれた、人類の希望、エール、まさに天才達です。
◆フランク・キャプラの映画で特にオススメな5本+α
・「素晴らしき哉、人生!」
・「スミス都へ行く」
・「或る夜の出来事」
・「群集」
・「我が家の楽園」
※キャプラの生涯を描いたドキュメンタリー番組
・「フランク・キャプラのアメリカン・ドリーム」
→ Re:playサイト内のフランク・キャプラ監督のページはこちら
◆チャーリー・チャップリンの映画で特にオススメな5本+α
・「殺人狂時代」
・「ライムライト」
・「街の灯」
・「ニューヨークの王様」
・「モダンタイムス」
※チャップリンの自伝本(上巻)(下巻)
+自伝をもとに製作された映画「チャーリー」
→ Re:playサイト内のチャーリー・チャップリン監督のページはこちら
◆エルンスト・ルビッチの映画で特にオススメな5本+α
・「街角 桃色の店」
・「天国は待ってくれる」
・「生活の設計」
・「ニノチカ」
・「結婚哲学」
※エルンスト・ルビッチ傑作選 DVD-BOX
・「エルンスト・ルビッチ傑作選 DVD-BOX 」
→ Re:playサイト内のエルンスト・ルビッチ監督のページはこちら
◆ビリー・ワイルダーの映画で特にオススメな5本+α
・「七年目の浮気」
・「アパートの鍵貸します」
・「お熱いのがお好き」
・「情婦」
・「麗しのサブリナ」
※ワイルダーにキャメロンクロウ監督がインタビューした有名な本
・「ワイルダーならどうする?」
→ Re:playサイト内のビリー・ワイルダー監督のページはこちら
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