その影響力たるや、有名な映画監督ビリー・ワイルダーが師匠として生涯、尊敬し続けた程でワイルダーの仕事場の壁には「ルビッチならどうした?(How would Lubitsch have done it?)」という言葉が飾られていたそうです。実際にワイルダーはハリウッドでルビッチと一緒に仕事をしており、ルビッチ監督作品の脚本を担当しています。
ただ、この壁にかかっていたとされる言葉なんですが、色々と調べてみると「ルビッチならどうする?(How would Lubitsch do it?)」としている方もいてどちらが本当なのかよくわかりません(^^;まあ、ニュアンスは一緒だからいいけど。
中でもジェームズ・スチュワート主演の「街角 桃色の店 (The Shop Around the Corner)」は、トム・ハンクス&メグ・ライアン主演の「ユー・ガット・メール」としてリメイクされているので有名かもしれませんね。個人的にも「街角 桃色の店」はルビッチ作品の中でもNo.1に好きかもしれません。
あとは「生活の設計 (Design for Living)」は、三谷幸喜さんのドラマで石橋貴明さん、飯島直子さん、西村雅彦さんが出演した「今夜、宇宙の片隅で」というドラマの中で紹介されていたと記憶しています。たしか(笑)というか、ほとんど「生活の設計」のリメイクといってもいいくらいですよね♪「生活の設計」は先程述べた芸術至上主義の色が濃い作品ですので、好きな人は大好きなんじゃないかなヽ(´▽`)/
キャメロン・クロウ監督は映画監督になる前には「ローリングストーン」誌で編集補佐にもついていたのでこういう取材が得意と言えば得意だったようです。原書名は「CONVERSATIONS WITH WILDER」なのですが、この本を翻訳した人は素晴らしいセンスをもって題名を「ワイルダーならどうする?」としました。これは先ほどお話した「ルビッチならどうする?」にかけてのことでしょうが、すごく粋な書名のつけかただと個人的には絶賛したいですね☆ちなみに、ワイルダーに逢いにいった三谷幸喜さんは「私ならこうする。ビリー・ワイルダー」というサインを色紙にもらい額に入れて飾っているそうです。
また、ビリー・ワイルダー DVD コレクターズBOXというのが発売されています。1と2がありほとんどのワイルダー作品が網羅されていますが、2011年2月現在では残念なことにAmazonで中古しか扱っていませんでした。新しいバージョンのDVD-BOXが発売されるかもしれませんので待つか、もしくはイーブックオフ(ネットオフ)などで中古で安く探して購入するのがオススメです。
1929年 悪魔の記者 – Der Teufelsreporter (脚本)
1929年 日曜日の人々 – Menschen am Sonntag (脚本)
1931年 人間廃業 – Der Mann,der seinen Morder sucht (脚本)
1931年 女王様御命令 – ihre hoheit befiehit (脚本)
1931年 浮気 – Seitensprunge (脚本)
1931年 にせの夫 – Der falsche Ehemann (脚本)
1931年 少年探偵団 – Emil und die Detektive (脚本)
1932年 かつてワルツありき – Es War einmal ein Walzer (脚本)
1932年 ブロンドの夢 – Ein blonder Traum (脚本)
1932年 街の子スカンポロ – Scampolo,ein kind der StraBe (脚本)
1932年 空の青さ – Das Blaue vom Himmel (脚本)
1933年 マダムは子供をお望みでない – madame Wunsht keine kinder (脚本)
1933年 女たちの夢見ること – Was Frauen traumen (脚本)
1933年 アドーラブル – Adorable (脚本)
1934年 刺激的な冒険 – One Exciting Adventure (脚本)
1934年 空飛ぶ音楽 – Music in the Air (脚本)
1935年 麗はしの巴里 – Lottery Lover (脚本)
1935年 男の魂 – Under Pressure (脚本)
1935年 エミールと探偵たち – Emil and the Detectives (脚本)
1937年 シャンパン・ワルツ – Champagne Waltz (脚本)
1938年 青髭八人目の妻 – Bluebeard’s Eighth Wife (脚本)
1939年 ミッドナイト – Midnight (脚本)
1939年 ウォット・ア・ライフ – What a Life (脚本)
1939年 ニノチカ – Ninotchka (脚本)
1940年 リズム・オン・ザ・リバー – Rhythm on the River (脚本)
1940年 囁きの木陰 – Arise My Love (脚本)
1941年 ホールド・バック・ザ・ドーン – Hold Back the Dawn (脚本)
1941年 教授と美女 – Ball of Fire (脚本)
1942年 運命の饗宴 – Tales of Manhattan (脚本)
1945年 死のひきうす – Die Todesmuhlen (編集協力)
1947年 気まぐれ天使 – The Bishop’s Wife (脚本)
1948年 ヒット・パレード – A Song is Born (脚本)
●監督もしてる作品
1933年 悪い種子 – Mauvaise Graine (脚本・監督)
1942年 少佐と少女 – The Major and the Minor (脚本・監督)
1943年 熱砂の秘密 – Five Graves to Cairo (脚本・監督)
1944年 深夜の告白 – Double Indemnity (脚本・監督)
1945年 失われた週末 – The Lost Weekend (脚本・監督)
1948年 皇帝円舞曲 – The Emperor Waltz (脚本・監督)
1948年 異国の出来事 – A Foreign Affair (脚本・監督)
1950年 サンセット大通り – Sunset Blvd. (脚本・監督)
1951年 地獄の英雄 – Ace in the Hole (脚本・監督・製作)
1953年 第十七捕虜収容所 – Stalag 17 (脚本・監督・製作)
1954年 麗しのサブリナ – Sabrina (脚本・監督・製作)
1955年 七年目の浮気 – The Seven Year Itch (脚本・監督・製作)
1957年 情婦 – Witness for the Prosecution (脚本・監督・製作)
1957年 昼下りの情事 – Love in the Afternoon (脚本・監督・製作)
1957年 翼よ!あれが巴里の灯だ – The Spirit of St. Louis (脚本・監督)
1959年 お熱いのがお好き – Some Like It Hot (脚本・監督・製作)
1960年 アパートの鍵貸します – The Apartment (脚本・監督・製作)
1961年 ワン・ツー・スリー – One, Two, Three (脚本・監督・製作)
1963年 あなただけ今晩は – Irma la Douce (脚本・監督・製作)
1964年 ねぇ!キスしてよ – Kiss Me, Stupid (脚本・監督・製作)
1966年 恋人よ帰れ!我が胸に – The Fortune Cookie (脚本・監督・製作)
1970年 シャーロック・ホームズの冒険 – The Private Life of Sherlock Holmes (脚本・監督・製作)
1972年 お熱い夜をあなたに – Avanti! (脚本・監督・製作)
1974年 フロント・ページ – The Front Page (脚本・監督)
1979年 悲愁 – Fedora (脚本・監督・製作)
1981年 バディ・バディ – Buddy Buddy (脚本・監督)
◆キーストン時代
1914年『成功争ひ』Making a Living
1914年『ヴェニスの子供自動車競走』Kid Auto Races at Venice
1914年『醜女の深情』Tillie’s Punctured Romance(監督マック・セネット、アメリカ映画初の長編コメディ)
◆エッサネイ時代
『チャップリンの拳闘』(1915)のオリジナル・ポスター
『チャップリンの移民』(1917)より1915年『チャップリンの拳闘』The Champion
1915年『チャップリンの駈落』A Jitney Elopement
1915年『チャップリンの失恋』The Tramp
1915年『チャップリンの掃除番』The Bank
1916年『チャップリンのカルメン』Burlesque on Carmen
1916年『チャップリンの悔悟』Police
◆ファースト・ナショナル時代
1918年『犬の生活』A Dog’s Life
1918年『公債』The Bond
1918年『担へ銃』Shoulder Arms
1919年『サニーサイド』Sunnyside
1919年『一日の行楽』A Day’s Pleasure
1921年『キッド』The Kid
1921年『のらくら』The Idle Class
1922年『給料日』Pay Day
1923年『偽牧師』The Pilgrim
◆ユナイテッド・アーティスツ時代
1923年『巴里の女性』A Woman of Paris(監督のみ、主演=エドナ・パーヴァイアンス)
1925年『黄金狂時代』The Gold Rush
1928年『サーカス』The Circus
1931年『街の灯』City Lights
1936年『モダン・タイムス』Modern Times
1940年『独裁者』The Great Dictator
1942年『黄金狂時代』サウンド版(1925年の『黄金狂時代』にチャップリン自身の作曲とナレーションを施したもの)
1947年『殺人狂時代』Monsieur Verdoux
1952年『ライムライト』Limelight
◆イギリスでの作品他
1957年『ニューヨークの王様』A King in New York
1959年『チャップリン・レヴュー』The Chaplin Revue
(「犬の生活」「担へ銃」「偽牧師」3本をまとめチャップリン自身の作曲とナレーションを施し再編集した映画)
1967年『伯爵夫人』A Countess from Hong Kong(監督のみ、唯一のカラー作品、主演=ソフィア・ローレン、マーロン・ブランド)
あとは、晩年に出版した自伝「The Name Above The Title」があります。これは残念ながら2011年1月現在では日本語翻訳版は発売されていませんが、原本ならAmazonでも売っています。また、インタビュー本も英語版ですが、あるようです。自伝は英語でもいいのでぜひ読みたいと考えています!