エルンスト・ルビッチのすべて

◆あのビリー・ワイルダーが生涯、敬愛し続けた天才監督エルンスト・ルビッチ
 
エルンスト・ルビッチエルンスト・ルビッチ(Ernst Lubitsch:1892年1月28日-1947年11月30日)は、ドイツの映画監督ですが、あの年収1億円を女優として初めて稼いだと言われている“アメリカの恋人”ことメアリー・ピックフォードから招待を受けてハリウッドへ渡米。
 
以来、世界的人気を博した作品をいくつも生み出した天才中の天才です。
 
その影響力たるや、有名な映画監督ビリー・ワイルダーが師匠として生涯、尊敬し続けた程でワイルダーの仕事場の壁には「ルビッチならどうした?(How would Lubitsch have done it?)」という言葉が飾られていたそうです。実際にワイルダーはハリウッドでルビッチと一緒に仕事をしており、ルビッチ監督作品の脚本を担当しています。
 
ただ、この壁にかかっていたとされる言葉なんですが、色々と調べてみると「ルビッチならどうする?(How would Lubitsch do it?)」としている方もいてどちらが本当なのかよくわかりません(^^;まあ、ニュアンスは一緒だからいいけど。
 
余談ですが三谷幸喜さんはビリー・ワイルダーがまだ存命中にテレビ番組で直接会いに行ってまして、その際に「私ならこうする。ビリー・ワイルダー」と書いてもらい、それを壁に飾っているということです。

ちなみにルビッチの映画については、WOWOWで以前、何作か放送されているようです♪



ワイルダーとルビッチが一緒に仕事をした際には、ルビッチからたくさんのことを教わっていたようです。代表的な作品としては「青髭八人目の妻(Bluebeard’s Eighth Wife)」がルビッチ監督、ワイルダー脚本の有名作品。
 
この作品はゲイリー・クーパーとクローデット・コルベール主演という夢のようなキャスティングですが、2人が初めて出会う場面をルビッチから注文されたワイルダーが、パジャマの上だけを買いたい男と、パジャマのしただけを買いたい女が偶然デパートで出会うというシナリオを考え採用されたといういいます。
 
このエピソードについては、実はナンシー・マイヤーズ監督の「ホリデイ」という映画の中で、イーライ・ウォラックという俳優さんがケイト・ウィンスレットに紹介するという場面で引用されたりもしています。
 
ルビッチに影響された監督はハワード・ホークスなど、まだまだ大勢いますが、日本人でも小津安二郎監督がその1人だったようです。

小津監督はルビッチを尊敬しており「東京の女」という自身の監督した映画の中で「エルンスト・シュワルツ」という架空の作家名が出てきます。これはエルンスト・ルビッチとハンス・シュワルツの名前の文字を組み合わせたものだそうです。
 
 
◆「ルビッチ・タッチ」と「ソフィスティケイテッド・コメディの天才」
 
街角 桃色の店ちなみに、ルビッチは最初ドイツでは舞台俳優として有名喜劇俳優に弟子入りして、いくつかの舞台に立っていたようです。
 
監督としては、登場人物の目線や立ち位置などで感情を表現するという「ルビッチ・タッチ」を確立したほか、「ソフィスティケイテッド・コメディの天才」などと称されていたようです。
 
ソフィスティケイテッド(sophisticated)というのは都会風に洗練されているという意味だと思いますが、僕個人的には洗練されているというよりは、ルビッチ作品には共通して「芸術至上主義的なカッコ良さ」があるという印象を受けます。登場人物の生き様がカッコ良いんですよね~♪
 
 
◆エルンスト・ルビッチの代表作およびオススメ作
 
代表作には「街角 桃色の店」「天国は待ってくれる」「生活の設計」「ニノチカ」「青髭八人目の妻」「結婚哲学」「極楽特急」など多数あります。
 
中でもジェームズ・スチュワート主演の「街角 桃色の店 (The Shop Around the Corner)」は、トム・ハンクス&メグ・ライアン主演の「ユー・ガット・メール」としてリメイクされているので有名かもしれませんね。個人的にも「街角 桃色の店」はルビッチ作品の中でもNo.1に好きかもしれません。
 
あとは「生活の設計 (Design for Living)」は、三谷幸喜さんのドラマで石橋貴明さん、飯島直子さん、西村雅彦さんが出演した「今夜、宇宙の片隅で」というドラマの中で紹介されていたと記憶しています。たしか(笑)というか、ほとんど「生活の設計」のリメイクといってもいいくらいですよね♪「生活の設計」は先程述べた芸術至上主義の色が濃い作品ですので、好きな人は大好きなんじゃないかなヽ(´▽`)/
 
天国は待ってくれる天国は待ってくれる」もかなりオススメの傑作です。
 
これは1943年製作とルビッチのかなり後期の作品ということもあってか、どこかルビッチの自伝的な半生記を振り返っているような感じもして、まさにルビッチ集大成的な作品という印象を受けました。
 
最高に泣けて、温かい気持ちになれる感動作品なので、こちらも僕の大好きな映画の1本です!
 
ルビッチを初めて観るという方は、まず上記3作品「街角 桃色の店」「天国は待ってくれる」「生活の設計」あたりを見てみるといいかもしれません。もちろん他の作品も最高なんですけどね☆

そうそう、以前スカパー!でもルビッチ特集をやっていたようですよ☆

作品1つ1つの解説や感想は別のページで書くとしても、ルビッチの作品を観ると、思わず「おおっ!」と立ち上がってしまうような面白さがあります。

そして、フランク・キャプラチャップリン作品のように、人間愛にあふれてり、人生を100%謳歌しようとしている人間の情熱やひたむきさに触れることができ、生きる希望をもらえます。まさに勇気をくれる映画、エールをくれる、元気をくれる映画の宝庫といえるでしょう。
 
 
◆エルンスト・ルビッチ監督の作品年表と人生年表☆

・エルンスト・ルビッチ作品年表


「出世靴屋」 (1916)
「カルメン」 (1918)
「男になったら」 (1918)
「舞踏の花形」 (1918)
「呪の眼」 (1918)
「パッション」 (1919)
「花聟探し」 (1919)
「花嫁人形」 (1919)
「牡蠣の王女」 (1919)
「デセプション」 (1920)
「寵姫ズムルン」 (1920)
「田舎ロメオとジュリエット」(1920)
「白黒姉妹」 (1920)
「山猫リュシュカ」 (1921)
「ファラオの恋」 (1922)
「灼熱の情炎」 (1922)
「ロジタ」 (1923)
「結婚哲学」 (1924)
「禁断の楽園」 (1924)
「三人の女性」 (1924)
「ウィンダミア夫人の扇」(1925)
「当世女大学」 (1925)
「陽気な巴里っ子」 (1926)
「思ひ出」 (1927)
「ラヴ・パレイド」 (1929)
「山の王者」 (1929)
「パラマウント・オン・パレイド」(1930)
「モンテ・カルロ」 (1930)
「陽気な中尉さん」 (1931)
「私の殺した男」 (1932)
「極楽特急」 (1932)
「百萬圓貰ったら」 (1932)
「君とひととき」 (1932)
「生活の設計」 (1933)
「メリィ・ウィドウ」 (1934)
「真珠の頚飾」 (1936)
「天使」 (1937)
「青髭八人目の妻」 (1938)
「ニノチカ」 (1939)
「桃色(ピンク)の店」(1940)
「淑女超特急」 (1941)
「生きるべきか死ぬべきか」(1942)
「天国は待ってくれる」 (1943)
「ロイヤル・スキャンダル」(1945)
「小間使」 (1946)
「あのアーミン毛皮の貴婦人」(1948)

作品年表については、もうひとつ、なんとエルンスト・ルビッチ監督が活躍した時期は偶然にもチャップリンとフランク・キャプラとビリー・ワイルダー監督という僕の大好きな、というか映画史上最も偉大な4人の天才が同時期に活躍したというすごい時期なんですね。
 
そういう意味でルビッチ監督だけでなく、チャップリン、フランク・キャプラ、ワイルダーも合わせた4人の代表作品年表も作成しましたので興味のある方はぜひ参考に見てみて下さい。
 
(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大表示します)

 

・エルンスト・ルビッチの人生年表

 
(画像をクリックすると拡大します)

 
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ビリー・ワイルダーのすべて

◆誰もが知ってる映画史上の伝説的シーンを作り出したビリー・ワイルダー☆
 
ビリー・ワイルダービリー・ワイルダー監督はハリウッドの黄金期に活躍し、映画史上最も有名なシーンや作品を生み出し、エンターテイメントの発展に非常に貢献した伝説的映画監督の1人です。
 
有名なシーンというのは、例えば、映画「七年目の浮気」でマリリン・モンローが歩道で地下鉄の風を受け、スカートがめくれるシーンなどは誰でも一度は見たり聞いたことがあるかと思います。
 
また、ジャック・レモンとシャーリー・マクレーン主演の「アパートの鍵貸します」やマリリン・モンローとジャック・レモン主演の「お熱いのがお好き」などは世界的に有名な作品ですから、観たことはなくても題名を聞いたことくらいがあるでしょう。
 
ちなみに三谷幸喜さんのビリー・ワイルダー好きは有名で、まだワイルダーが生きていた2000年に直接逢いに行くというテレビの特別番組が放送されたくらいです。元気が欲しい時には「お熱いのがお好き」の脚本をよく眺めているそうです。

日本でいうと、あと関係の有無は不明ですが、サザンオールスターズの「恋はお熱く」という歌で「お熱いのが好き」というフレーズが頻繁に登場します♪桑田さんのことですから、きっと遊び心たっぷりなオマージュかな?とか個人的には思ってます。



ちなみに、以前WOWOWでは、「三谷幸喜の教科書!ビリーワイルダー傑作選」という三谷幸喜さんがビリー・ワイルダーの魅力を語りつくすという番組が放送されたようです。
WOWOW

そして、もうひとつ、驚きべき事というか幸運なことに、「アパートの鍵貸します」で主演した可憐な女優のシャーリー・マクレーンさんは実は、まだ現役バリバリの映画女優として活躍しておられます!
 
きっと、映画が好きな方なら知らなかった人も1度くらいは観た事があるかもしれません。最近では「バレンタインデー」という映画に出てきましたし、ちょっと前には「インハーシューズ」という映画でも重要な役をやっています。またニコラス・ケイジと共演した「不機嫌な赤いバラ」、ジャック・ニコルソンと共演した「愛と追憶の日々」などは有名な作品ですね。
 
ワイルダーは、僕の感想ですが一言で言うと映画にエンターテイメント性を持たせることにかけて天才的な監督だったと思います。シャレた演出、オシャレなセリフ、決めのシーン、粋なストーリーなど世界最高レベルの演出家だったと思っています。
 
そのため、映画史上に残る名場面や彼の映画に主演した女優のほとんどは世界的に後世まで語り継がれるような大スターとなっています。
 
マリリン・モンローなどは、その一番の例で「七年目の浮気」の地下鉄の風でスカートがめくれ上がるシーンはもう知らない人はいないくらいでしょう。

また「お熱いのがお好き」で駅のホームを歩くマリリンは腰とお尻をクネクネとさせながらセクシーに歩くのですが、これはわざとセクシーさを強調させるための演出で、実際に履いていたヒールの高さを左右で異なるようにしていたそうですが、この歩き方は当時一世を風靡したそうです。
 
まあでも「お熱いのがお好き」の中では、マリリンのこの歌が一番有名かも?「I Wanna Be Loved By You」ですね♪

さらにはオードリ・ヘプバーン主演のビリー・ワイルダー映画「麗しのサブリナ」ではそのファッションに当時の女性は憧れて真似た人が大勢いたとか♪
 
またマレーネ・ デートリッヒ主演、アガサ・クリスティ原作のビリー・ワイルダー映画「情婦」では、予告編や映画作品の宣伝で、「まだ観ていない人のために、結末は絶対に漏らさないで下さい」というキャッチコピーをつけて話題を呼びました。
 
ワイルダー映画の常連で、20世紀最高の喜劇俳優と称されたジャック・レモンも偉大すぎる程の大スターで様々な映画に出演しています。

そうそう、これらワイルダー映画についてはスカパー!でも時々放送されているようなので要チェックです♪

ビリー・ワイルダーが映画界に与えたインパクトは素晴らしいものでした。アカデミー賞も「アパートの鍵貸します」をはじめ受賞歴が何度かあります。
 
また信じられないことに、そんなワイルダーがさらに師匠とあがめていた人がいます(笑)エルンスト・ルビッチという伝説の映画監督がそうなのですが、ワイルダーの仕事部屋には「ルビッチならどうした?(How would Lubitsch have done it)」という文字を飾っていたくらいだそうです。
 
ワイルダーは実際ルビッチ監督作品に脚本家として何本か参加しながら学んでいたようです。これまた面白い作品が多くて「青髭八人目の妻」「ニノチカ」「教授と美女」などは必ず観て欲しい作品の1つです。あまり脱線するとキリがないので、これらの作品について詳しく知りたい方は、エルンストルビッチ監督のページでご覧下さい。
 
以下は特にオススメな代表作6本です。

「七年目の浮気」  1955年
原題:The Seven Year Itch
七年目の浮気
 
「アパートの鍵貸します」  1960年
原題:The Apartment
アパートの鍵貸します
アカデミー監督・作品・脚本賞
「お熱いのがお好き」  1959年
原題:Some Like It Hot
お熱いのがお好き
 

 
少しだけどんなお話か紹介すると、
 
七年目の浮気」は、とある普通の家庭で妻と子供が避暑地へ遊びに行くため数日間、家で亭主が1人きりで留守番して過ごすことになる。そこへ偶然2階に越してきた若くて綺麗な女性(マリリン・モンロー)が遊びにきてはその度にあらぬ妄想が男の頭に浮かんだり、浮気をしてしまいそうになったりと誘惑と良心の間で揺れ動く男の心を面白おかしく描いた傑作コメディ。
 
アパートの鍵貸します」はサラリーマンをしているしがない男のアパートは時々、上司と愛人との密会のため、貸し出されていた。男は不甲斐ないながらもそのことに目をつぶってきたが、その愛人は実は自分が密かに思いを寄せていたエレベーターガールだったものだから・・・というこれまた痛快コメディ。
 
お熱いのがお好き」は、「Nobody’s perfect」完璧な人なんていないという言葉が一世を風靡した名作で、とある演奏家の男2人がギャングの抗争を目撃してしまったため追われるハメに。そんな時、女性だけのバンドツアーに女装して紛れ込みながら逃走を図るが、、、というコメディ作品。作中マリリン・モンローがウクレレをもって踊ったり、歌ったりする曲はあまりにも有名です♪
 
もう3本は、以下になります。
 

「情婦」  1957年
原題:Witness for the Prosecution
情婦
「麗しのサブリナ」  1954年
原題:Sabrina
麗しのサブリナ
「あなただけ今晩は」  1963年
原題:Irma la Douce
あなただけ今晩は

 
少しだけどんなお話か紹介すると、
 
情婦」は、アガサ・クリスティ原作の映画である女性が、愛する人が裁判にかけられてしまった時様々な知恵を駆使して自らの主張を男に、そして裁判を通して世間に知らしめようとするとてもウィットに富んだ作品。
 
麗しのサブリナ」は、オードリ・ヘプバーンとハンフリー・ボガートが主演という超豪華な作品。お金持ちの家でメイドとして働く両親の子供(ヘプバーン)が巴里で花嫁修業して帰ってきたら素晴らしく綺麗な女性となっていたため、お金持ちの家の息子が一目惚れしてしまうが・・・というラブコメです。
 
あなただけ今晩は」は、ある娼婦に恋をしてしまった男が自分の人生をかえりみずに猛烈に献身的に愛を貫こうとする物語です。作中で使われている「それはまた別のお話」というセリフは三谷幸喜さんの「王様のレストラン」でも使われていますね。
 
 
ビリー・ワイルダー監督の映画は観ると楽しくなってくると同時に自分の知恵や工夫次第で人生はこんなにも多種多様な生き方ができるようになるんだ!?という気持ちにしてくれます。とってもエールフルなので元気をくれる映画や希望をくれる映画として個人的にはとっても感謝しています。たまにWOWOWなどでも放送されてますので、ぜひ見てみて下さい♪
 
 
◆ビリー・ワイルダー自身の人生を知りたい方へ☆
 
ビリー・ワイルダーならどうする?ワイルダーの自伝的インタビュー本で日本語にも翻訳されている本なら間違いなく「ワイルダーならどうする?」という本が一番面白くて有名です。これはキャメロン・クロウという「ザ・エージェント」や「エリザベスタウン」で有名な映画監督がビリー・ワイルダーに1997年から98年の2年間かけて断続的に行われた貴重なインタビュー本です。
 
当時既に90歳を超えていたにも関わらずものすごくはっきりとした口調で答えているのが驚きです。「タイタニック」は、つまらない映画だ!とか(笑)「ザ・エージェント」への出演依頼を断ったりとか面白いエピソードが満載で読み物としても宝物になる一冊です。
 
キャメロン・クロウ監督は映画監督になる前には「ローリングストーン」誌で編集補佐にもついていたのでこういう取材が得意と言えば得意だったようです。原書名は「CONVERSATIONS WITH WILDER」なのですが、この本を翻訳した人は素晴らしいセンスをもって題名を「ワイルダーならどうする?」としました。これは先ほどお話した「ルビッチならどうする?」にかけてのことでしょうが、すごく粋な書名のつけかただと個人的には絶賛したいですね☆ちなみに、ワイルダーに逢いにいった三谷幸喜さんは「私ならこうする。ビリー・ワイルダー」というサインを色紙にもらい額に入れて飾っているそうです。
 
また、ビリー・ワイルダー DVD コレクターズBOXというのが発売されています。1と2がありほとんどのワイルダー作品が網羅されていますが、2011年2月現在では残念なことにAmazonで中古しか扱っていませんでした。新しいバージョンのDVD-BOXが発売されるかもしれませんので待つか、もしくはイーブックオフ(ネットオフ)などで中古で安く探して購入するのがオススメです。
 
 
さて、ざっと書いてきましたがビリー・ワイルダー監督についてはまだまだ知らないことが多いので、新しい発見があったら随時このページに追記していくつもりです。お楽しみに☆
 
 
◆ビリー・ワイルダー監督の作品年表と人生年表☆
 
・ビリー・ワイルダー作品年表

  ●脚本のみ
 
  1929年 悪魔の記者 – Der Teufelsreporter (脚本)
  1929年 日曜日の人々 – Menschen am Sonntag (脚本)
  1931年 人間廃業 – Der Mann,der seinen Morder sucht (脚本)
  1931年 女王様御命令 – ihre hoheit befiehit (脚本)
  1931年 浮気 – Seitensprunge (脚本)
  1931年 にせの夫 – Der falsche Ehemann (脚本)
  1931年 少年探偵団 – Emil und die Detektive (脚本)
  1932年 かつてワルツありき – Es War einmal ein Walzer (脚本)
  1932年 ブロンドの夢 – Ein blonder Traum (脚本)
  1932年 街の子スカンポロ – Scampolo,ein kind der StraBe (脚本)
  1932年 空の青さ – Das Blaue vom Himmel (脚本)
  1933年 マダムは子供をお望みでない – madame Wunsht keine kinder (脚本)
  1933年 女たちの夢見ること – Was Frauen traumen (脚本)
  1933年 アドーラブル – Adorable (脚本)
  1934年 刺激的な冒険 – One Exciting Adventure (脚本)
  1934年 空飛ぶ音楽 – Music in the Air (脚本)
  1935年 麗はしの巴里 – Lottery Lover (脚本)
  1935年 男の魂 – Under Pressure (脚本)
  1935年 エミールと探偵たち – Emil and the Detectives (脚本)
  1937年 シャンパン・ワルツ – Champagne Waltz (脚本)
  1938年 青髭八人目の妻 – Bluebeard’s Eighth Wife (脚本)
  1939年 ミッドナイト – Midnight (脚本)
  1939年 ウォット・ア・ライフ – What a Life (脚本)
  1939年 ニノチカ – Ninotchka (脚本)
  1940年 リズム・オン・ザ・リバー – Rhythm on the River (脚本)
  1940年 囁きの木陰 – Arise My Love (脚本)
  1941年 ホールド・バック・ザ・ドーン – Hold Back the Dawn (脚本)
  1941年 教授と美女 – Ball of Fire (脚本)
  1942年 運命の饗宴 – Tales of Manhattan (脚本)
  1945年 死のひきうす – Die Todesmuhlen (編集協力)
  1947年 気まぐれ天使 – The Bishop’s Wife (脚本)
  1948年 ヒット・パレード – A Song is Born (脚本)
  
  ●監督もしてる作品
 
  1933年 悪い種子 – Mauvaise Graine (脚本・監督)
  1942年 少佐と少女 – The Major and the Minor (脚本・監督)
  1943年 熱砂の秘密 – Five Graves to Cairo (脚本・監督)
  1944年 深夜の告白 – Double Indemnity (脚本・監督)
  1945年 失われた週末 – The Lost Weekend (脚本・監督)
  1948年 皇帝円舞曲 – The Emperor Waltz (脚本・監督)
  1948年 異国の出来事 – A Foreign Affair (脚本・監督)
  1950年 サンセット大通り – Sunset Blvd. (脚本・監督)
  1951年 地獄の英雄 – Ace in the Hole (脚本・監督・製作)
  1953年 第十七捕虜収容所 – Stalag 17 (脚本・監督・製作)
  1954年 麗しのサブリナ – Sabrina (脚本・監督・製作)
  1955年 七年目の浮気 – The Seven Year Itch (脚本・監督・製作)
  1957年 情婦 – Witness for the Prosecution (脚本・監督・製作)
  1957年 昼下りの情事 – Love in the Afternoon (脚本・監督・製作)
  1957年 翼よ!あれが巴里の灯だ – The Spirit of St. Louis (脚本・監督)
  1959年 お熱いのがお好き – Some Like It Hot (脚本・監督・製作)
  1960年 アパートの鍵貸します – The Apartment (脚本・監督・製作)
  1961年 ワン・ツー・スリー – One, Two, Three (脚本・監督・製作)
  1963年 あなただけ今晩は – Irma la Douce (脚本・監督・製作)
  1964年 ねぇ!キスしてよ – Kiss Me, Stupid (脚本・監督・製作)
  1966年 恋人よ帰れ!我が胸に – The Fortune Cookie (脚本・監督・製作)
  1970年 シャーロック・ホームズの冒険 – The Private Life of Sherlock Holmes (脚本・監督・製作)
  1972年 お熱い夜をあなたに – Avanti! (脚本・監督・製作)
  1974年 フロント・ページ – The Front Page (脚本・監督)
  1979年 悲愁 – Fedora (脚本・監督・製作)
  1981年 バディ・バディ – Buddy Buddy (脚本・監督)

作品年表については、もうひとつ、なんとビリー・ワイルダー監督が活躍した時期は偶然にもチャップリンとフランク・キャプラとエルンスト・ルビッチ監督という僕の大好きな、というか映画史上最も偉大な4人の天才が同時期に活躍したというすごい時期なんですね。
 
そういう意味でビリー・ワイルダー監督だけでなく、チャップリン、フランク・キャプラ、エルンスト・ルビッチも合わせた4人の代表作品年表も作成しましたので興味のある方はぜひ参考に見てみて下さい。
 
(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大表示します)

 
 

・ビリー・ワイルダーの人生年表

 
(画像をクリックすると拡大します)

 
 
◆ビリー・ワイルダー監督に関するトリビア☆

・ビリー・ワイルダーは50年以上映画に携わり、60本もの作品に携わった。

・三谷幸喜映画「ザ・マジックアワー」の舞台設定や美術のつくりはビリー・ワイルダー監督作品「あなただけ今晩は」を参考にしたオマージュとなっているらしい。

・三谷幸喜ドラマ「今夜、宇宙の片隅で」内では古典映画についての話題がたくさん登場するが、中でもワイルダー作品の「教授と美女」や「お熱いのがお好き」でのモンローのシーン、「アパートの鍵貸します」の最後のシーン、「青髭八人目の妻」のパジャマの上下を男女で貸しあったりとたくさんのオマージュが登場します。

・脚本のほとんどは、黄金コンビとして数々の名作を生み出してきたチャールズ・ブラケットやI・A・L・ダイアモンドらと一緒に作り出した。

・アカデミー賞受賞作品としては、「失われた週末」が作品賞・監督賞・脚色賞・主演男優賞(この映画はカンヌ国際映画祭でグランプリも受賞)。「サンセット大通り」が美術監督・装置賞・脚色賞・作曲賞。「アパートの鍵貸します」が作品・監督賞・脚本賞・美術賞・編集賞を受賞。

・「麗しのサブリナ」はゴールデン・グローブ賞の脚本賞を受賞している。

・パジャマの上と下だけを買おうとする男女が出会うというのはワイルダーがルビッチから男女の出会いのシチュエーションを求められたのに答えたものだったらしい。ちなみにこのシーンのことについて話シーンがナンシー・マイヤーズ監督の映画「ホリデイ」に出てきます。

・周防正行監督「Shall we ダンス?」が素晴らしいというコメントを残している。

・コレクションがオークションに出された時の合計金額は3260万ドルという高額の値段だった

・英語がまったくできなかったが、毎日20語の英単語を暗記して、一日中部屋にこもり、ラジオを聴くなどかなりの勉強家だったらしい。

・渡米後、ビザが切れたため更新しようと国境付近の米国領事館に赴くも、書類の不備からなかなかビザの発行がおりずに絶望的になっていた時、副領事から「仕事は何をしているのか?」と尋ねられ、ワイルダーは「シナリオライターです」と答えると、副領事は「いいシナリオを書くんだ」と言ってパスポートにスタンプを押してくれたという。

 
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チャップリンのすべて

 

◆チャップリンは万能な天才映画人☆
 
チャップリンの有名さ、ファンの多さ、時代を超えた人気などは言うまでもないでしょう。
 
たとえチャップリン映画を観た事がない人でも、チャップリンという名前は1度は聞いたことがあるでしょうし、帽子にチョビひげ、そして杖を持ったあの格好を一度は見たことがあるのではないでしょうか☆
 
ちなみに、僕はチャップリン作品はおろか、チャップリンの生き方や考え方も大好きで、彼自身が書き残した自伝本や、その伝記に基づいて製作された映画「チャーリー」も大好きです♪
 
チャップリンの映画には、たとえ絶望的な気持ちの時に観ても、つい笑ってしまうような希望と勇気を与えてくれます。独特のエールが込められているんですね。それは彼自身の人生が、あまりにも波乱万丈だったからこそ語れるものだと考えて良いでしょう。チャップリンしか使えない魔法のようなものです。
 
 
さあ、それではそんな大好きなチャップリンについてお話していきましょう!
 
実は、チャップリンについては、いくつもの驚くべき事実があります。
 
まずは、自分の映画を作る時、監督をやるのはもちろんのこと、主演、脚本、編集、そして音楽の作曲までしてしまいます。
 
こんな離れ業を成し遂げるには、よほどの好奇心と集中力のカタマリのような人でないと、とてもじゃないけど出来ることじゃない気がしますよね(笑)並大抵の情熱では、とてもこなせません。

 

よく、チャップリンは完璧主義者だったと言われますが、たしかにそういうところがあったのかもしれません。完璧主義については、チャップリンの作品作りにも表れています。
 
それは残されたNGフィルムの数の多さが物語っているそうです。NGフィルムを見てみると、1つの短いシーンにつき何度も何度も撮り直していたんだそうです。チャップリンの作品へのこだわりが見受けられます。
 
ちなみに、このチャップリンのNGフィルムは以前、WOWOWのドキュメンタリー番組で公開されました。

WOWOW

さらに彼の作った曲の1つは、後に作詞家によって詞がつけられて有名なスタンダード曲となっています。
 
その曲は「モダン・タイムス」という映画で使われた「Smile」(スマイル)という曲です。
 
もともとは歌詞なしの曲でしたが、1954年に歌詞が付けられ、ナット・キング・コールの歌により大ヒットし、その後もマイケル・ジャクソンやエルヴィス・コステロらによって断続的にカヴァーされました。(チャップリンの「SMILE」



また面白いことに、「モダン・タイムス」の劇中、チャップリンが歌ったデタラメ語による「ティティーナ」という曲が、LAのラッパーJ-Fiveによってサンプリングされラップとしてカバーされています。
 
チャップリン版「ティティーナ」
 
ちなみに「ティティーナ」を歌うシーンは、ある酒場で歌を歌うように言われたチャップリンは歌詞がわからなくならないようシャツの袖にカンニング用の歌詞カードを丸めて入れておきます。

が、しかし舞台に踊りながら登場したとたん、腕を勢いよく振り回しすぎてカンニングカードがどこかへ飛んでいってしまいます。そこで仕方なくデタラメな歌詞で歌いはじめた歌なんですね(笑)

J-Five版ラップver「ティティーナ」

チャップリンは作曲を独学で学んだそうですが、それにしても、すごく美しい曲が多いです。これはとても驚きです。才能がどうのこうのと言って二の足を踏む前にやってしまっている、それがチャップリンなんですね(笑)
 
あと、チャップリンは若い頃は働きに働き、初期には膨大な数のコメディ短編映画を発表しています。この編の無声映画はスカパー!などでも放送されたことがあるみたいです。昔、たしかNHKでも深夜にやってたんじゃなかったかな?

さて、さらに興味深い事実があります。チャップリン映画と言えばコメディばかりと思っている方も多いと思いますが、実はチャップリン映画の中で、特に名作と呼ばれているのは、ほとんどが晩年につくられたものなんですね。

晩年の作品は、どれも、もちろん大笑いもできるけど、扱っているテーマは結構シリアスで、人間の幸福などについて情熱的に語りかけてくるような熱い作品が多いんですよ。

 

あの有名な浮浪者の格好で膨大な本数のコメディ映画を作ってきたチャップリンですが、40歳を超えた頃から変化が見られます。

名画「街の灯」は感動的な長編映画ですし、「モダン・タイムス」は失業者が増え機械が人間から職を奪っていく世の中に元気を与えたくて作ったエール映画になっていますからね。
 
蛇足ですが「街の灯」のプレミアイベントでは、あの相対性理論で有名な宇宙物理学者のアインシュタインを招待しており、なんと、チャップリンとアインシュタインのツーショット写真も残っています! 
 
さらに、それ以降の作品などでは、もう浮浪者の格好さえしておりません。例えば、「殺人狂時代」は僕的に一番好きなチャップリン作品なのですが、第二次世界大戦時代を生きたチャップリンが戦争や利己的な愛について強烈な警鐘を鳴らし、大切なメッセージをいくつも語っています。
 
例えば「1人を殺せば殺人者と言われ、大勢を殺せば英雄と呼ばれる。数が殺人を神格化するんだ」という戦争批判のセリフが登場しますが、奇しくも作家ドストエフスキーも「罪と罰」の中で同じセリフを書いています。
 
また作中「自分の家庭が幸せならば他人はどうでもよい」という行き過ぎた盲目的な愛の恐ろしさについても言及しています。参考までに、こちらは似たような真意をテーマにして、太宰治が「家庭の幸福」で「家庭の幸福は諸悪の根源」という、現代でも他に類をみないような独特なテーマを、わかりやすい物語で説いています。



また、「ライムライト」では、自殺未遂をした少女に対して人生についての考えを説いています。

人生に必要なのは、勇気と想像力と少しのお金だけ」というセリフは、あまりにも有名でしょう。さらに、この作品の中に出てくるチャップリンからのエール、生きる知恵は他にもたくさんあります。
 
ここではその中から2つだけ紹介しておきますね。
 
人生に意味を求めて何になるんだい?人生は願望だ!意味じゃない
 
宇宙の力が、地球を動かし木を育てる。君の中にも同じ力があるんだ。その力を使う勇気と意志を持つんだ
 
いずれの言葉も僕の大好きな座右の銘の1つです(´ー`)
 
ちなみに、「ライムライト」には、当時ライバルと呼ばれた喜劇俳優のバスター・キートンがチャップリンと夢の共演を果たしています。

これは当時バスター・キートンが経済的に困窮しているという噂を聞いたチャップリンが、何かの助けになればということで持ちかけた話だとか☆

 

そして後でも触れますがアメリカから国外追放されたチャップリンが痛烈に当時のアメリカの異常さを指摘してる「ニューヨークの王様」。これもかなり面白い作品です。

チャップリンは戦争や政治というタブーに正面から立ち向かい、素晴らしいエール映画を何本も残してくれているんですね。
 
余談ですが、「殺人狂時代」は、あの映画「市民ケーン」で有名な天才監督オーソン・ウェルズから持ちかけられた話だったようですよ!
 
余談ついでに、チャップリンの「独裁者」のラストでヒトラーと間違われたチャップリン扮する床屋の男が素晴らしいスピーチをします。



このスピーチは戦争ムード真っ只中にあって、かなり勇気がないと映画化できなかったであろう名シーンです!ぜひ知っておいてもらいたいシーンの1つですね。史上最高のスピーチとも称されています。

チャップリンの肉声による作中のスピーチ場面

全文の日本語訳はNAVERまとめに載ってますのでそちらをどうぞ。
 
 
チャップリンの驚くべき事実の最後としては、その人生があまりにも波乱万丈だったということです。
 
そもそもハリウッドで活躍したイメージがありますが、実は生まれはイギリスのロンドンです。若い頃にマック・セネットという喜劇映画人に誘われて渡米します。
 
それまでは母親とお兄さんの3人家族でとても貧しい生活を送っていました。やがてイギリスである程度舞台人として喜劇人として名前が売れてきた時にマック・セネットから映画をやらないかと声がかかった、という訳です。
 
あなたの周りの友人で、極貧から成功して外国へ招待された人が何人いますか?これだけでもすごいのに、なんと、ここからさらに波乱万丈な人生が始まります(笑)
 
チャップリンは、アメリカに渡った後とにかくよく働き、どんどんとスターダム街道を進んでいきます。たしか30才になる前には自分のスタジオを持って独立した成功者となっています。

 

しかし、仕事一筋だったこともあり、結婚しても長続きせず、生涯に4回(法的には3回という説もある)結婚しています。4人以上の子供を持っていた父でもありました。
 
ちなみに共演した女優すべてに手を出したという話も有名ですが、真偽の程はわかりません。ただ、当時のハリウッドにしてはチャップリンはおとなしい方だったという見方もあるそうです。
 
ただ、女性関係のスキャンダルや噂を利用されて赤狩りの時期に離婚訴訟や子供の父権認知訴訟などを起こされ、挙句の果てにはアメリカからの国外追放命令まで下されてしまいます。
 
このあたりの詳しいことは自伝本やロバート・ダウニーJr主演の伝記映画「チャーリー」などを見るとよくわかりますが、結果的に以後生涯をスイスに移住して過ごすこととなり、20年後にようやく混乱から落ち着いたアメリカからアカデミー名誉賞授与という形で事実上ハリウッドからチャップリンへ謝罪の申し出があり、アメリカの地を再び踏むこととなる。この時の様子はYoutubeにUpされていたりします。↓


また、親友のダグラス・フェアバンクスやアメリカの恋人と呼ばれた女優メアリー・ピックフォードなどと一緒に立ち上げた映画製作会社のユナイテッド・アーティスツという会社はメトロ・ゴールドウィン・メイヤーに吸収されてはいますが、今も残っており、2006年から2008年の間はトップにトム・クルーズが就任していました。
 
さて、チャップリンの人生についてお話するとままだたくさんあるのですが、その中でも特に僕らにとっては嬉しいことを1つ挙げるとすると、チャップリンは日本人の真面目さをとても評価していて自宅の執事を全員日本人にしたがっていたという話があるくらいです。実際に高野虎市さんという日本人を秘書として雇っていました。また、日本にも何度か来ていた親日家で天ぷらが好物の1つだったと聞きます。

 

さらにすごいエピソードとしてはのはあの映画解説で有名な淀川長治さんは「チャップリンさんあなたの大ファンなんです!」といってチャップリンが来日した際、彼の目の前で物まねを披露し気に入られて個室に呼ばれ、チャップリンとその妻と3人きりで談笑したというすごいエピソードを持っています。
 
チャップリンの話はたくさんのエピソードがあるのでつい、収集がつかなくなってしまいそうなのでこのへんで一度まとめますね(笑)
 
このように酸いも甘い知っているチャップリンだからこそ、深みのある作品からエールをもらえ、100年たってなおも人気が絶えないのだろうと思います。
 
本当にたくさんの勇気や愛情、そして笑いと希望をくれる、そんなチャップリンのオススメな代表作をいくつかご紹介します。

「ライムライト」  1952年
原題:Limelight
チャップリン ライムライト
「殺人狂時代」  1947年
原題:Monsieur Verdoux
チャップリン 殺人狂時代
「街の灯」  1931年
原題:City Lights
チャップリン 街の灯

少しだけどんなお話か紹介すると、

ライムライト」は、チャップリン扮する落ちぶれたコメディアンの老人が自殺未遂を図ろうとしたバレリーナを助けたところからはじまります。生きる希望を取り戻させるため、チャップリンが様々な話や情熱を少女に傾ける様は観ていて僕らもたくさんの勇気と希望をもらえます。

殺人狂時代」は、コミカルで早い展開ながら、愛やお金についての様々な英知がふんだんに盛り込まれています。一方、戦争や人生について考えさせられる深いテーマも盛り込まれた素晴らしい作品です。

街の灯」は、浮浪者スタイルの中でもベスト3に入る名作です。盲目の女性に恋をしたチャップリンが心機一転して働きだし、目の手術代を稼ごうと奮闘する物語です。

また、上記以外にも歴史に残る程の名作がたくさんあります。

「モダン・タイムス」  1936年
原題:Modern Times
チャップリン モダン・タイムス
「ニューヨークの王様」  1957年
原題:A King in New York
チャップリン ニューヨークの王様
「キッド」  1921年
原題:The Kid
チャップリン キッド

「黄金狂時代」  1927年
原題:The Gold Rush
チャップリン 黄金狂時代
「独裁者」  1940年
原題:The Great Dictator
チャップリン 独裁者
「伯爵夫人」  1967年
原題:A Countess from Hong Kong
チャップリン 伯爵夫人

ちなみに、最後の作品で唯一のカラー映画「伯爵夫人」の主演はソフィア・ローレンとマーロン・ブランドという豪華キャストになっています。ついこないだミュージカル映画「NINE」に出演していたソフィア・ローレンはチャップリン映画のヒロインだったのですね!そんな方がまだ生きていてしかも現役で映画に出演しているなんて・・・う~ん、すごいなぁ☆

チャップリン映画には人生を楽しく生きる英知で溢れています。僕は寂しくなったり、悩んだ時には必ずといってもいいくらいチャップリン監督の映画に癒してもらい、元気をもらっています。
 
 
◆チャップリン自身の人生を知りたい方へ☆
 
チャーリー作品それぞれの詳しい解説はそれぞれの個別作品解説ページに任せるとして、
 
さらにチャップリン自身の人生についてもっと知りたい!という方にオススメなのが「チャーリー」という映画で、これはチャップリンの自伝本に基づいた伝記映画です。主演はロバート・ダウニーJrで、チャップリンの人生を疑似体験できるうえに、物語として観てもすごく面白い映画になっています。
 
また晩年に出版した自伝「チャップリン自伝(上巻)」と「チャップリン自伝(下巻)」があります。日本語訳も出版されていますので、ぜひオススメです。裏話やチャップリンの愛や幸せについての考えが読めちゃいます。また、アルバート・アインシュタイン博士とのツーショット写真やガンジー、バーナード・ショーなど様々な偉人達とのエピソードなんかもすごい!と驚嘆しちゃいますよ♪
 
チャップリンのすべてそれともう1冊オススメなのが、毎日新聞社から出版された淀川長治さんが中心になってチャップリンを語っているマニアックかつ貴重な写真付ムック「チャップリンのすべて」があります。
 
この本では淀川さんが実際にチャップリンに逢って話た時のエピソードや、スティックがメイド・イン・ジャパンだった事実など面白い内容が盛りだくさんです。すごい内容ですよ。
 
山田洋次監督と淀川さんの対談なんかも入っています♪この2人でチャップリンを語っているなんて夢のビッグ対談ですね!
 
 
ちょこっとだけ目次を紹介すると、
 
・チャーリースタイルの誕生
・素顔のチャールズ・チャップリン
・愛する、食べる、働く
・作品カタログ
・チャーリーをめぐる美しき女性たち
・ビッグ対談 淀川長治×山田洋次
・チャップリン年表

などなど、他にも大変貴重な内容が目白押しです☆
 
チャップリン DVD-BOXまとめて作品を購入したい方は「チャップリン・メモリアル・エディション BOX」シリーズが1~4ぐらいまで発売されていますのでオススメです。
 
ちなみに、各BOXに収録されている内容は下記のとおりです。もちろん特典DISCも満載です!
 
・BOX1
「街の灯(2枚組)」
「ライムライト(2枚組)」
「ニューヨークの王様(2枚組)」
 
・BOX2
「殺人狂時代(2枚組)」
「黄金狂時代(2枚組)」
「チャップリン短編集I(1枚組)」
 
・BOX3
「独裁者(2枚組)」
「巴里の女性(2枚組)」
「チャップリン短編集II(1枚組)」
 
・BOX4
「サーカス(2枚組)」
「モダンタイムス(2枚組)」
「キッド(2枚組)」
 
さて、ざっと書いてきましたがチャップリンについてはまだまだ知りたいことが多いので、新しい発見があったら随時このページに追記していくつもりです。
 
———- ↓追記(09.10.’14)ここから↓ ———-
 
ああ、ついに!ついに!チャップリンの安いDVDが発売になったぁ~!!!

古典映画に関しては大部分の作品が500円とか300円で売られるようになっているのに、著作権の問題なのかなんなのか、チャップリン作品についてはなぜか50年以上経った作品も今までは高額でした。

しかし!ついにAmazonで1枚500円台で売られています!!!絶対買いだぜ!!待ってたぜぃ~!しかも、発売されたのは「これだけ観ればチャップリンは十分」というくらいの代表作ばかりです☆

 
 
街の灯

独裁者
 
ニューヨークの王様
 
黄金狂時代

モダン・タイムス
 
サーカス
 
キッド

———- ↑追記(10.09.’14)ここまで↑ ———-
 
また、各作品については1つ1つページを作成していく予定ですので、ぜひそちらもご覧下さい♪
 
これを機に、ぜひHulu(フールー)でもチャップリン作品をどんどん配信開始してほしいところですね!

Huluを今すぐチェック!今なら2週間 無料トライアル実施中!お早めに~☆

あ、そうだチャップリンは、チャールズ・チャップリンが正しい本名で、チャーリー・チャップリンと呼ぶのは別名というか愛称に近い呼び方です。まあ、どっちでも通じますけどね(笑)
 
 
◆チャップリンの作品年表と人生年表☆

・チャップリン作品年表


◆キーストン時代
1914年『成功争ひ』Making a Living
1914年『ヴェニスの子供自動車競走』Kid Auto Races at Venice
1914年『醜女の深情』Tillie’s Punctured Romance(監督マック・セネット、アメリカ映画初の長編コメディ)

◆エッサネイ時代
『チャップリンの拳闘』(1915)のオリジナル・ポスター
『チャップリンの移民』(1917)より1915年『チャップリンの拳闘』The Champion
1915年『チャップリンの駈落』A Jitney Elopement
1915年『チャップリンの失恋』The Tramp
1915年『チャップリンの掃除番』The Bank
1916年『チャップリンのカルメン』Burlesque on Carmen
1916年『チャップリンの悔悟』Police

◆ミューチュアル時代
1916年『チャップリンの替玉』The Floorwalker
1916年『チャップリンの消防夫』The Fireman
1916年『チャップリンの放浪者』The Vagabond
1916年『午前一時』One A.M.
1916年『チャップリンの伯爵』The Count
1916年『チャップリンの番頭』The Pawnshop
1916年『チャップリンの舞台裏』Behind the Screen
1916年『チャップリンのスケート』The Rink
1917年『チャップリンの勇敢』Easy Street
1917年『チャップリンの霊泉』The Cure
1917年『チャップリンの移民』The Immigrant
1917年『チャップリンの冒険』The Adventurer

◆ファースト・ナショナル時代
1918年『犬の生活』A Dog’s Life
1918年『公債』The Bond
1918年『担へ銃』Shoulder Arms
1919年『サニーサイド』Sunnyside
1919年『一日の行楽』A Day’s Pleasure
1921年『キッド』The Kid
1921年『のらくら』The Idle Class
1922年『給料日』Pay Day
1923年『偽牧師』The Pilgrim

◆ユナイテッド・アーティスツ時代
1923年『巴里の女性』A Woman of Paris(監督のみ、主演=エドナ・パーヴァイアンス)
1925年『黄金狂時代』The Gold Rush
1928年『サーカス』The Circus
1931年『街の灯』City Lights
1936年『モダン・タイムス』Modern Times
1940年『独裁者』The Great Dictator
1942年『黄金狂時代』サウンド版(1925年の『黄金狂時代』にチャップリン自身の作曲とナレーションを施したもの)
1947年『殺人狂時代』Monsieur Verdoux
1952年『ライムライト』Limelight

◆イギリスでの作品他
1957年『ニューヨークの王様』A King in New York
1959年『チャップリン・レヴュー』The Chaplin Revue
(「犬の生活」「担へ銃」「偽牧師」3本をまとめチャップリン自身の作曲とナレーションを施し再編集した映画)
1967年『伯爵夫人』A Countess from Hong Kong(監督のみ、唯一のカラー作品、主演=ソフィア・ローレン、マーロン・ブランド)

 
作品年表については、もうひとつ、なんとチャップリンが活躍した時期は偶然にもフランク・キャプラとエルンスト・ルビッチとビリー・ワイルダー監督という僕の大好きな、というか映画史上最も偉大な4人の天才が同時期に活躍したというすごい時期なんですね。
 
そういう意味でチャップリンだけでなく、キャプラ、エルンスト・ルビッチと、ワイルダーも合わせた4人の代表作品年表も作成しましたので興味のある方はぜひ参考に見てみて下さい。
 
(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大表示します)

 
 

・チャップリンの人生年表

 
(画像をクリックすると拡大します)

 
 
◆チャップリンに関するトリビア☆

・チャップリンの有名なステッキは、日本産で、滋賀県産の竹で作られており、しなりが強い。

・運転手(後に秘書)に高野虎市を採用し、家の使用人が一時期すべて日本人で占められていた時があった。2番目の夫人であるリタ・グレイはこの様子を「まるで日本人の中で暮らしているかのよう」と評したらしい。

・54歳の時、18歳のウーナ・オニール(劇作家ユージン・オニールの娘)と結婚し、8人の子供をもうけた。

・「独裁者」の最後の演説シーンは’世紀の六分間’とも呼ばれ、教科書に載った程素晴らしいとされている。

・亡くなる直前まで、ミュージカル映画を作ろうとしていた。題名は「フリークス」女性天使の羽が壊れて地球に落ちてくるという話だったらしい。

・淀川長治さんのお気に入りベスト1の映画は「黄金狂時代」だそうです。ちなみに黒澤明監督も「黄金狂時代」を「100本の名作」の中で4位としています。

・日本橋の「花長」では海老の天ぷらを36尾も食べたという。

・晩年誰とも会わずスイスに隠棲していたチャップリンに、幸運にも接する機会を得た日本人に、萩本欽一、前橋汀子がいる。

・2006年に日本チャップリン協会が設立された。名誉会長は黒柳徹子、最高顧問にジョゼフィン・チャップリン、名誉顧問に山口淑子が就任。呼びかけ人に大野裕之らが名を連ねており、本部は京都大学にある。

・手塚治虫は、生前「どうすれば、人々の記憶に残る漫画が描けるのですか?」という質問に対して「とにかくチャップリンの映画を観ろ。あれにすべての答えがある」と決まって答えている。自著においても、ウォルト・ディズニーと同等にチャップリンを敬愛している旨を述べている。

・チャップリンは晩年、自伝本(上巻)(下巻)にも載っていますが、世界の様々な偉人たちと会っています。その時の写真がすごすぎるんですね。例えば、チャップリンとアルバート・アインシュタイン、20世紀を代表する2人ですよね(笑)、そしてチャップリンとウォルト・ディズニーのツーショットなんかもエンタメ界のトップ2の夢の写真ですよ。他にもガンジーやバーナード・ショーなどとも会っていて写真も載っています。

・チャップリン自伝映画「チャーリー」でチャップリンの母親役を演じているのは、チャップリンの実の娘であるジェラルディン・チャップリンです。女優やってたんですね。実はチャップリンの「ライムライト」にも端役で出演していたり、1965年の映画「ドクトル・ジバゴ」などにも出演しています。

 
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フランク・キャプラのすべて

◆フランク・キャプラは、元気をくれる映画第1位に輝いた名画「素晴らしき哉、人生!」の監督☆
 
フランク・キャプラフランク・キャプラ監督はハリウッドの黄金期に活躍し、映画史上最も多くの人々に愛され続けている名画を残してくれた、イタリアはシチリア島出身の天才映画監督です。
 
代表作には、アメリカ映画協会(American Film Institute, AFI)が2006年に選出した「元気が出る映画(100 Cheers)」で第1位に輝いた「素晴らしき哉、人生!」など、以下3作が特にオススメです。
 
ちなみに、このドナ・リードとジェームズ・スチュワート主演の「素晴らしき哉、人生!」はアメリカで今でも毎年クリスマスになると流れる程定番の大人気映画となっています。(AFI選定の映画100選シリーズについてはこちら
 
僕は落ち込んだ時や寂しくなった時には必ずと言っていい程、不思議とフランク・キャプラ監督作品の映画を手にとって観ています。そのくらい、元気をくれる映画がたくさんあり、希望をくれる映画、勇気をくれる映画が多いです☆
 
すごく不思議なのは、映画ファンでもない限りは、日本ではあまりこの映画監督の名前が有名ではないのですが、世界的にキャプラ映画は愛されており、スピルバーグをはじめ、現代巨匠と呼ばれているの映画監督のほとんどが尊敬しており、ファンでもあると公言しているくらいです。

素晴らしき哉、人生!
「素晴らしき哉、人生!」
原題:It’s a Wonderful Life
スミス都へ行く
スミス都へ行く
原題:Mr.Smith Goes to Washington
群衆
「群衆」
原題:Meet John Doe

 
少しだけどんなお話か紹介すると、
 
素晴らしき哉、人生!」(1946)は、とある男が絶望のあまり自殺しようとしているところを2級天使と名乗る老人に助けられます。そして、仮に自分が存在していなかった場合の世界を見せられ、1人の人間がいかに世界に影響を与えているかを知ることになるという感動の1作です。

僕は一番のオススメ映画は何ですか?と聞かれると、この作品を挙げています。
 
ちなみに、「素晴らしき哉、人生!」は、以前スカパー!で放送されたようですね☆

スミス都へ行く」(1939)は、同じくジェイムズ・スチュワート主演にジーン・アーサーという女優が加わった、政治家になりたての青年の物語です。

突然穴埋めとして政治家にさせられてしまった青年が自分の守りたい正義を貫くために海千山千のベテラン議員達を相手に奮闘する物語で、信念を貫く大切さを描いているサクセスストーリーのお手本のような感動作です。
 
ちなみに、「スミス都へ行く」は一時期Hulu(フールー)で配信されていました☆今後もキャプラ監督作品が配信されるかもしれませんね♪

群衆」(1941)は、アメリカの映画史上これ程パワフルなシーンを描いた映画はないだろうと言われている集会のシーンなど大衆の持つパワーと怖さを描いた、勇気と希望をくれる、とってもあたたかい映画です。

主演はゲイリー・クーパーとバーバラ・スタンウィックです。
 
その他、アカデミー賞受賞作品の以下3作品などもあります。

「或る夜の出来事」(1934)
原題:It Happened One Night
或る夜の出来事
作品賞、監督賞、脚色賞
主演男優賞、主演女優賞受賞
「オペラハット」(1936)
原題:Mr.Deeds Goes to Town
オペラハット
監督賞受賞
「我が家の楽園」(1938)
原題:You Can’t Take It With You
我が家の楽園
作品賞、監督賞受賞

 
ちなみにAFI(アメリカ映画協会)が公開してる映像で、フランク・キャプラが上記3度のアカデミー監督賞を受賞した際の映像も残っていますので下に動画で紹介しておきますね。
 
あ、動画の最初の男性はキャプラでなく「或る夜の出来事」で主演男優賞を受賞したクラーク・ゲーブルですよ。
 
「オペラハット(Mr.Deeds Goes to Town)」で受賞した際には、司会者がタイトルを間違えるというハプニングも(笑)



また、後期の作品としてはフランク・シナトラ主演の「波も涙も暖かい」(1959)や、コロンボ役で有名なピーター・フォークや伝説の女優ベティ・デイヴィスら主演の「ポケット一杯の幸福」(1961)などもあります。

また、ゲイリー・マーシャル監督、リチャード・ギア主演で「愛の立候補宣言」というキャプラ監督作品をリメイクするという話も一時期ニュースになったことがあります。
 
上記のとおり、キャプラ監督はなんとアカデミー監督賞を3度も受賞しているだけでなく出世作の「或る夜の出来事」では5部門も受賞しています。

ちなみにこのクラーク・ゲーブルとクローデット・コルベール主演の「或る夜の出来事」はスクリューボール・コメディの元祖として多くの映画に影響を与えています。

また、キャプラ監督は1935年から4年間アカデミー会長も務めています。

映画「或る夜の出来事」は、以前WOWOWのアカデミー賞特集の中で放送されたことがあるようです。

WOWOW

ちなみに「オペラハット」は突然莫大な遺産を受け取ることになった破天荒な田舎暮らしの男が、その純粋さゆえにお金で世の中に貢献できることは何かないかと考え、ある壮大な思いつきを実行に移すというこれまた人間の心理と幸せを描いた最高の物語です。ゲイリー・クーパーとジーン・アーサーが主演です。
 
そして「我が家の楽園」はライフワークがテーマになっています。つまり、自分が愛して止まない、大好きなことを仕事にしよう!というのがテーマでお金と幸せについての面白い映画となっています。この映画でジェイムズ・スチュワートとジーン・アーサーそしてライオネル・バリモアが主演です。
 
フランク・キャプラの偉大さはその作品を観れば一瞬でとりこになってしまう人が多いでしょう☆もちろん、僕もそうでした(笑)すべてに一貫して観終わった後に元気や勇気、希望をくれる映画ばかりで、上記に挙げた作品では特にすべての作品が人間愛にあふれています。
 
第二次世界大戦中は兵士向けの戦争広告的なフィルムも作っていたり「毒薬と老嬢」というブラック・コメディ的な作品もありますが、それでも僕はやはりフランク・キャプラが大好きです。
 
寂しくなったり、悩んだ時には必ずといってもいいくらいフランク・キャプラ監督の映画に癒してもらい、元気をもらっています。
 
 
◆フランク・キャプラ自身の人生を知りたい方へ☆
 
フランク・キャプラのアメリカン・ドリーム作品それぞれの詳しい解説はそれぞれの個別作品解説ページに任せるとして、さらにフランク・キャプラ監督自身の人生についてもっと知りたい!という方にオススメなのが「フランク・キャプラのアメリカン・ドリーム」というドキュメンタリー番組です。
 
この番組では、ナレーター役にロン・ハワード、ゲストとして登場するコメンテーターにはマーティン・スコセッシ、オリヴァー・ストーン、ピーター・フォーク、ゲイリー・マーシャルなど超豪華な映画人達がキャプラ作品を称えています。
 
キャプラの私生活についてや、悩み、結婚そしてもちろん映画作品の撮影秘話についてのエピソードも聞けちゃうのですごく面白い番組ですよ♪
 
あとは、晩年に出版した自伝「The Name Above The Title」があります。これは残念ながら2011年1月現在では日本語翻訳版は発売されていませんが、原本ならAmazonでも売っています。また、インタビュー本も英語版ですが、あるようです。自伝は英語でもいいのでぜひ読みたいと考えています!
 
フランク・キャプラ DVD コレクターズBOXまた、日本版DVDとしてはフランク・キャプラ DVD コレクターズBOXというのが発売されています。
 
このBOXにはアカデミー賞受賞の3作品「我が家の楽園」「オペラハット」「或る夜の出来事」の他に「スミス都へ行く」「失われた地平線」、そしてレンタルや販売している店をほとんど見かけない、入手困難の貴重な作品「狂乱のアメリカ」「プラチナ・ブロンド」「陽気な踊り子」「風雲のチャイナ」なども収録されています。
 
加えて、未公開映像を収録した特典ディスク「フランク・キャプラ ボーナスディスク」もついているという、ぜひ購入したい貴重なDVDボックスの1つです♪
 
さらにもう一本、2012年に新しく「巨匠たちのハリウッド フランク・キャプラ傑作選 DVD-BOX」というものが発売されました♪この中には「其の夜の真心」「愛の立候補宣言」「花婿が来た」の3作品が収録されています。どの作品も他ではなかなか見ることができない作品だったのでコレは嬉しいですね☆
 
特に「愛の立候補宣言」は先程も触れましたがゲイリー・マーシャル監督がリメイクするなんて噂もあったくらいなので、ぜひ見ておきたい1本です。
 
さて、ざっと書いてきましたがフランク・キャプラ監督についてはまだまだ知らないことが多いので、新しい発見があったら随時このページに追記していくつもりです。また「素晴らしき哉、人生!」については特集ページを作成しましたのでぜひそちらもご覧下さい。
 
 
◆フランク・キャプラ監督の作品年表と人生年表☆

・フランク・キャプラ作品年表


  「当りっ子ハリー」 (1926年)
  「力漕一挺身」 (1927年)
  「初恋ハリイ」 (1927年)
  「Say It with Sables」 (1928年)
  「So This Is Love?」 (1928年)
  「サブマリン」 (1928年)
  「闇を行く」 (1928年)
  「呑気な商売」 (1928年)
  「陽気な踊子」 (1928年)
  「渦巻く都会」 (1928年)
  「空の王者」 (1929年)
  「ドノヴァン」 (1929年)
  「The Younger Generation 」(1929年)
  「Rain or Shine」 (1930年)
  「希望の星」 (1930年)
  「大飛行船」 (1931年)
  「奇蹟の処女」 (1931年)
  「プラチナ・ブロンド」 (1931年)
  「たそがれの女」 (1932年)
  「狂乱のアメリカ」 (1932年)
  「風雲のチャイナ」 (1933年)
  「一日だけの淑女」 (1933年)
  「或る夜の出来事」 (1934年)
  「其の夜の真心」 (1934年)
  「オペラハット」 (1936年)
  「失はれた地平線」 (1937年)
  「我が家の楽園」 (1938年)
  「スミス都へ行く 」(1939年)
  「群衆」 (1941年)
  「毒薬と老嬢」 (1944年)
  「素晴らしき哉、人生!」 (1946年)
  「愛の立候補宣言」(1948年)
  「恋は青空の下」 (1950年)
  「花婿来たる」 (1951年)
  「波も涙も暖かい」(1959年)
  「ポケット一杯の幸福」(1961年)

 
作品年表については、もうひとつ、なんとフランク・キャプラ監督が活躍した時期は偶然にもチャップリンとエルンスト・ルビッチとビリー・ワイルダー監督という僕の大好きな、というか映画史上最も偉大な4人の天才が同時期に活躍したというすごい時期なんですね。
 
そういう意味でキャプラ監督だけでなく、チャップリン、エルンスト・ルビッチ、ワイルダーも合わせた4人の代表作品年表も作成しましたので興味のある方はぜひ参考に見てみて下さい。
 
(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大表示します)

 
 
・フランク・キャプラの人生年表
 
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◆フランク・キャプラ監督に関するトリビア☆

・貧しい家庭に育ち、6歳で家族と共にロサンゼルスに移住するも、バンジョー弾きや新聞の売り子、大学卒業後は詐欺まがいの職業など様々な職歴を経て映画監督への道へ歩みだす。

・フランク・キャプラ監督作品では、ハッピーエンドが多く甘い感じがするという特徴から、よく’キャプラ・コーン’などといって批判する人もいたそうです。

・まだあまりハリウッドで監督として有名でなかった頃に「或る夜の出来事」の主演女優クローデット・コルベールがキャプラを批判するようなことをクラーク・ゲーブルに話したところ、ゲーブルは非常にキャプラを買っていたらしく「何を言っているんだ!?あのイタリア人監督はなかなか素晴らしいよ!」と言い返したらしい。

・「或る夜の出来事」で使われたセリフに”ジェリコの壁”という単語が出てきますが、同じ単語がエヴァンゲリオンでも出てくる。まあ、もとは旧約聖書にも出てくる世界最古の町の名前で「絶対に崩れない物」の喩えとされているそうですので2つの作品に関連はないかもしれませんが。

・「素晴らしき哉、人生!」が登場する映画としてエディ・マーフィ主演「デイブは宇宙船」、三谷幸喜監督「ステキな金縛り」等がある。

・「或る夜の出来事」がアカデミー賞をとった際のことが話題として出てくる映画にアンジェリーナ・ジョリー主演、クリント・イーストウッド監督の「チェンジリング」がある。

・カリフォルニア工科大学時代にはエンジニアリングを学んでいる。

・息子さん(フランクキャプラJr)は映画プロデューサー。

・ジョージ・スティーブンス、ウィリアム・ワイラーらと共に製作会社リバティ・ピクチャーズを1945年に創設したが後にパラマウント映画に吸収された。

・戦後という時代の波長と合わなかったためか「素晴らしき哉、人生!」は実は公開当時、興行的には失敗という結果だった。

・1925年に、あのチャップリンの映画デビューにも関わった人物でコメディ映画の巨匠マック・セネットと出会っている。

・キャプラ作品の「失われた地平線」に出てくるシャングリ・ラという街の建物セットは、著名な建築家フランク・ロイド・ライトのコンセプトをもとにして作られたらしい。

・東京の帝国ホテルにて淀川長治さんと対談しているんですね。チャップリンとも個室で2人きりで逢ってたりしてるみたいだし、淀川さん凄すぎ(笑)

・フランク・キャプラの出生地であるイタリアのシチリア島は同じく映画監督のジュゼッペ・トルナトーレ(「ニューシネマパラダイス」「海の上のピアニスト」などの監督)の出生地でもある。

「黒澤明が選ぶ100本の名作」(文藝春秋の企画)の22位に「素晴らしき哉、人生!」がランクインしています。

・スティーブン・スピルバーグはあるインタビューの中で映画撮影に入る前に必ず4本の作品を観る。その4本とは「七人の侍」「アラビアのロレンス」「捜索者」そして「素晴らしき哉、人生!」だ、と言っていたそうです。

インタビューを受けるフランク・キャプラの動画はこちら

・第10回AFI功労賞(AFI’s Life Achievement Award)の受賞スピーチをするキャプラ↓


参考:WikipediaIMDb & more…

 
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