映画「生きる」は1952年公開の黒澤明 監督の映画です。
よく手塚治虫はマンガの神様なんて呼ばれ方をしますが、本当に数多くの傑作を残していて、藤子不二雄や石森章太郎はじめ多くの漫画家の憧れであると同時に、芸能人などの有名人にもファンが多いですよね。
落語家の立川談志なんかも、その1人で手塚先生は神様だとTVなどでよく語っていました。また夏目漱石の孫でマンガ評論家の夏目房之介は「手塚治虫はどこにいる」という有名な著書を発表しています。
手塚治虫は、まず、経歴からしてスゴイ!なんたって医学博士ですからね。大阪大学の医学部附属病院で1年インターンを経験した後、国家試験を受けて医師免許を取得しているそうです。
しかし小さい頃からマンガを書くのが好きだった手塚治虫は、結局、医者の道ではなく漫画家の道を歩むことを決意します。
まずは、中高時代に戦争を経験し、戦後「幽霊男」という長編マンガを毎日新聞に応募するんですが、なんと落選しています。
■ 1946年1月~3月 デビュー
しかしその後、近所に住んでいた毎日新聞社に務めていた女性の紹介で、子供向けの「毎日小学生新聞」(当時は「少国民新聞」という名前)に「マアチャンの日記帳」という4コマ漫画を連載します。
これが20才の時にデビューした初の作品となります。ちなみに本名は手塚治ですが、昆虫好きがこうじてペンネームは治虫となります。最初は「おさむ」ではなく「おさむし」と読ませていたそうです。
さらに実は「ドラえもん」で有名な藤子不二雄もデビュー作「天使の玉ちゃん」を「毎日小学生新聞」に連載しています。
これは、藤子不二雄の2人が手塚治虫のファンだったことから、毎日小学生新聞に宛てて手塚治虫のファンであることと、現在は手塚治虫の作品が連載されていないので、その代わりに僕らの漫画を載せて下さいという手紙を送ったことがきっかけだったようです。
この作品は、手塚治虫の長編デビュー作であると同時に、40万部以上も売れるという大ヒットを記録しました。
当然、この作品に影響を受けてマンガ家を志した漫画家もたくさんいて、藤子不二雄や石ノ森章太郎、ちばてつや、さいとう・たかをなどが挙げられます。
さらに落語家の立川談志や宮崎駿なども、大変感銘を受けたと語っています。
「新宝島」で人気が出た手塚治虫は次々と新作を発表。
1948年には「ロストワールド」、1949年「メトロポリス」、1951年「来るべき世界」という手塚治虫の初期の代表的なSF三部作を発表しています。
またこの時期、ゲーテの「ファウスト」をマンガにしています。(1950年)
さらに、この頃から大阪だけでなく東京へも原稿を持ち込みはじめ、最初は講談社に断られているんですね。
しかし1950年には東京の出版社で初の連載マンガをスタートします。タイトルは「タイガー博士の珍旅行」です。
特にリボンの騎士は、手塚治虫が少年時代に影響を受けた宝塚やディズニーの影響が強く現れていますね。
そして1954年には「火の鳥」の連載をスタート。
過去、未来、地球、宇宙を舞台に人間の業を描いている壮大なシリーズで、レオナルド・ダヴィンチでいうところの「モナリザ」のような存在かも?
こうして手塚治虫は一躍、全国区的に人気漫画となるワケですね☆
東京の出版社での連絡が多くなると、いよいよ上京。1953年に伝説のトキワ荘14号室に入居します。
このトキワ荘は東京都豊島区にあった木造アパートで、他にも石ノ森章太郎や赤塚不二夫など、たくさんの漫画家が住んでいたことで有名です。1954年に手塚治虫が引っ越した後、14号室には藤子不二雄が住んでいました。
現在は老朽化を理由に取り壊されてしまいました。
ちなみにWikipediaによると、1953年の段階で手塚治虫はすでに関西の長者番付で画家の部門の1位になっていたそうです。
また、手塚治虫はトキワ荘にいた若いマンガ家たちに映画をたくさん観るよう勧めていたそうです。自身も年に365本観ていたとか(笑)
映画といえば、「博士の異常な愛情」や「時計じかけのオレンジ」などで有名なスタンリー・キューブリック監督から、映画「2001年宇宙の旅」の美術担当者として参加してくれないかという連絡をもらったらしいです。
結局、忙しい&養うべきスタッフや家族が大勢いるため断ったということですが、もし実現していたらハリウッド映画に手塚治虫が進出していたかなしれませんね。
そして1955年頃から、いよいよ大人向けの雑誌にも作品を執筆し始めます。
まずは1956年に、SF短編シリーズ「ライオンブックス」、「漫画生物学」「漫画天文学」などを発表しています。
■ 1959~ 週刊誌ブーム到来
1959年には、それまで主流だった月刊誌にかわり週刊誌ブームに。講談社の「少年マガジン」や小学館の「少年サンデー」が創刊されます。
両方から声がかかった手塚治虫は、少年サンデーに「スリル博士」を連載、少年マガジンには自分が下書きだけした「快傑ハリマオ」を石森章太郎に描かせ連載したようです。
さらに、この1959年という31才の年には、幼馴染の女性と結婚しています。忙しすぎて2回しかデートできなかったらしく、式にも直前まで仕事をしていたため遅刻したらしいです(笑)
■ 1961年 手塚治虫プロダクション動画部の設立
1961年には、ついにディズニー狂いと自称していたほどアニメ好きだった手塚が、手塚治虫プロダクション動画部を設立します。
翌1962年には「株式会社 虫プロダクション」として法人化。さらに1966年には子会社の「虫プロ商事 株式会社」を設立。版権・出版・営業などの業務を行うための会社だったようです。
ちなみに1968年には漫画の制作を行う株式会社 手塚プロダクションを設立しています。
つまり、アニメ制作は虫プロで行い、マンガは手塚プロが行うという体制を整えたようです。
ただ、虫プロ商事、そして虫プロで労働紛争が起こり、次々に社員が辞めていき、1971年には結局、社長職を退任。映画の失敗や受注が減ったことなどにより、1973年には2社が連続して倒産します。労働環境が苛酷だったようです。手塚治虫も個人的に1億5000万円ほどの借金を背負うことになったそうです。
ただし、1977年には元々は虫プロの労働組合だったメンバーが大部分を出資して「虫プロダクション株式会社」という会社を設立します。
手塚治虫は、この会社にアニメ作品などの著作権を譲渡しつつ、共同でアニメ作品を制作していきます。
■ 1966年~ 雑誌創刊
1966年には、当時流行っていた雑誌「ガロ」に対抗する形でマンガ雑誌「COM」(コム)を創刊します。自身も「火の鳥」を連載。
翌1967年には、水木しげるが起こした妖怪ブームに対抗して「どろろ」などを発表。
さらに1968年には青年漫画「きりひと讃歌」「空気の底」などをスタートさせます。
■ 1973年~ 冬の時代を乗り越えて
さて、ついに経営難や人気のかげりなどを乗り越えて、1973年に連載をスタートした「ブラック・ジャック」が大人気になります。
50才代となった1980年代には、「陽だまりの樹」や「アドルフに告ぐ」などを完成させています。
1988年に胃がんとなり、翌1989年に死去。
遺作として未完の「グリンゴ」「ルードウィヒ・B」「ネオ・ファウスト」などがありました。これらは未完のまま出版・発売されています。
ちなみに「ネオ・ファウスト」は、またまたゲーテ「ファウスト」が原案の作品です。この小説がよほど好きだったんですね。
僕的のオススメは、なんと言っても「ブラック・ジャック」、「ファウスト」を原案とした作品、「火の鳥」、「アドルフに告ぐ」ですね。
特に、医師免許を持っていないながらも天才的な医師として多くの命を救う主人公を通して、人間の生死に関わる姿を描いた「ブラック・ジャック」。
今でも行き詰った時には読み返して、生きるヒントやエールをたくさんもらってます。
手塚治虫の作品は今なお、単発ドラマとしての「ブラック・ジャック」実写版や、邦画「MW-ムウ-」、洋画「アトム」などとして映画化されていますし、舞台でも乃木坂46の生田絵梨花が出演した「虹のプレリュード」などが上演されています。
手塚治虫は、マンガ界、そしてアニメーションの世界でも偉大な功績を残した天才だったと言っていいでしょうね☆
なお嬉しいことに、今挙げた映画「MW -ムウ-」、「ATOM」、そして単発ドラマ「ブラック・ジャック」は、2014年11月現在Hulu(フールー)にて3本とも観れますよ♪
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僕も昔、密着番組かなにかで、フランス旅行に行く直前に成田空港でタクシーに乗りながらも原稿を書き続ける手塚治虫を、外で出版社の担当者が待っている姿を見て、大変驚いたのを記憶しています(笑)
最後に手塚治虫文庫全集 (全200冊)が発売されていますので紹介しておきます。
もう説明するまでもないくらい、誰もが一度は名前を聞いたことがある監督でしょう(笑)個人的は、日本の好きな監督トップ3の1人です。山田洋次監督と同率1位という感じでしょうか♪
2014年8月にはジブリの宮崎駿さんが、日本人として2人目のアカデミー名誉賞を受賞することが発表されましたが、実は日本人として初めてアカデミー名誉賞を授与されたのは黒澤明 監督です。
アカデミー賞では他にも外国語映画賞を「羅生門」と「デルス・ウザーラ」で2度も受賞しています。(「羅生門」の時には、まだ外国語映画賞という賞自体が存在しませんでしたので正確には特別賞の1つだった名誉賞という名前の賞を受賞しています。ただし、この時の名誉賞は現在の名誉賞とは異なり、現在の外国語映画賞と同じ意味でした。)
なんとビリー・ワイルダー、ジョン・ヒューストンの3人で作品賞の発表を行ったんですね。あのワイルダーと黒澤明が隣り合わせにいるなんて信じられない光景ですね!
ちなみに、ジョン・ヒューストンは映画「荒馬と女」というマリリン・モンローとクラーク・ゲーブルの遺作となった映画を監督した人で、ハンフリー・ボガートとも仲がよかったみたいで数多くのボガート主演映画を撮った人です。
このように、日本国内ではもちろん外国でも、例えばスティーヴン・スピルバーグやジョージ・ルーカス、フランシス・フォード・コッポラ監督などが黒澤ファンであることを公言しているほか、トム・クルーズなども来日時には「用心棒」が好きだと答えてます。
1人目は、三船敏郎(みふね としろう)。
三船敏郎は日本でも大スターですが「世界のミフネ」といわれているほど世界的な人気俳優です。黒澤作品のほとんどの主演を務めているとともに、「黒部の太陽」で石原裕次郎と共演したり、「男はつらいよ」で渥美清とも共演を果たしています。タレントの三船美佳の父にあたります。
2人目は、志村喬(しむら たかし)。
この方も黒澤映画には欠かせない名俳優で、三船敏郎とはプライベートでも父親的存在として家族ぐるみで付き合っていたようです。やはり「男はつらいよ」でもタコ社長の工場で働くヒロシの父役で何度か出演しています。
4人目は、仲代達矢(なかだい たつや)。
三船敏郎の宿敵役として登場することが多いです。
5人目は、加山雄三(かやま ゆうぞう)。
若い人には意外かもしれませんが、歌手であり役者でもあるんですね。加山雄三は。黒澤映画では、若い好青年役として三船敏郎と何度か共演しています。次世代の主役という感じの役柄が多いですね。
黒澤明が監督した映画は全部で30作です。ほぼすべてが傑作と言ってもいいのですが(笑)、
まず黒澤映画といえば、有名なのは「七人の侍」「生きる」「用心棒」「椿三十郎」「赤ひげ」「まあだだよ」あたりですね。外国的には「羅生門」などもアカデミー賞受賞作として有名かもしれません。
ちなみに「羅生門」は嬉しいことに、2014年11月現在、Hulu(フールー)で配信されています☆
結論から言うと、個人的にも今挙げた作品達は、どれも最高ですヽ(´▽`)/
この中で甲乙つけるのは難しいですが、789jun的には特に「赤ひげ」「まあだだよ」「生きる」がトップ3です。
詳しくは各作品の詳細ページでご紹介しますが、
まず「赤ひげ」は、主演は三船敏郎、準主役は加山雄三、そしてなんと香川京子さんが色目を使う女性役で登場しています。
黒澤明の集大成とも言われることがある程ディテールにまでこだわった完璧な作品。
ストーリーも最高ですし、各役者さんたちが本当にイイです。
感動に次ぐ感動、ジーンとくるシーンが多く、作品自体は結構長くて185分もあるのですが、あっという間に終わってしまった感じがしました。
ラストシーンを見ながら、もっとあの世界にいたいと思えるくらいです。
2本目の「まあだだよ」は、主演が松村達雄で、その妻役に香川京子さんが出演しています。
全編にわたって全てが美しい作品。
音楽や演出、ストーリーまで最高に好きです。所ジョージや井川比佐志、寺尾聰、吉岡秀隆なども出演しています。
セリフの1つ1つが心に残るんですね。すごくエールをもらえる作品ですよ☆
ちなみにこの作品が黒澤明が監督した最後の映画となりました。
嬉しいことに「まあだだよ」は、Hulu(フールー)でオンライン配信されていますよ☆(2014/11現在)
3本目の「生きる」は、これまた最高傑作です。
主題がすごい上に、主演の志村喬の演技がスゴイです。
ゲーテの「ファウスト」やライフワーク、生きがい、若さ、女性、酒など、人生で何が大切なのか、本当の意味で充実した人生を生きるということがどういうことなのかを教えてくれる物語です。
個人的には、この映画を観た後の感動が、なんとなく安岡章太郎の「サーカスの馬」を初めて読んだ時の感動と似ていて懐かしくなりました。胸が熱くなりますよ。
まず、時代劇もの、すなわち三船敏郎主演もので素晴らしい3作といえばやはり下の3作でしょう♪
1本目は「用心棒」です。
三船敏郎が主演で、桑畑三十郎という腕の立つ浪人を演じています。とはいえ、桑畑というのは偽名で、三十郎がこの町に来る途中、たまたま桑畑を通りかかったため、とっさに思いついたものと思われます。
他に仲代達矢、志村喬、東野英治郎なども出演。
あらすじは、荒涼としたある町を通りかかった三十郎が、2つの対立するやくざ勢力に対して自分を用心棒として売り込み、たくみに相打ちをさせるよう仕組んでいくんですね。
この作品の魅力は、三十郎が一見するとアラクレ者に見えるし、実際に剣の腕も相当なものなのにもかかわらず、実は心優しく、知的であるというところ。
カッコ良いですよー!そりゃ~トム・クルーズもこの作品のファンになりますよ☆
あ!ちなみに「用心棒」はケヴィン・コスナーとホイットニー・ヒューストン主演の大ヒット映画「ボディガード」の中でも登場しています。余談ですが、ケヴィン・コスナー演じる主人公は「用心棒」をこれまで何度みたかとたずねられたシーンで、なんと「62回だ」と答えています(笑)アメリカでも評価が高いんですね!
2本目は「椿三十郎」。
タイトルのとおり三船敏郎が椿三十郎という浪人を演じています。そうです「用心棒」と同じ三十郎です。
直接的なストーリー上のつながりはほとんどありませんが、「椿三十郎」は「用心棒」の続編的な作品といわれています。
今度は、とある若侍たちの会合を偶然聞いてしまうところから、どことなく頼りなく、しかし善意を感じられるお侍さん達を成り行きで三十郎が助太刀することになるというお話です。この映画も無敵の剣さばきがカッコイイのはもちろん、さらに知的でいいんですよー!
その若いお侍さん達は、加山雄三や田中邦衛などが演じています。豪華すぎ(笑)他には志村喬、そして仲代達矢はまたまた三船のライバル役で登場します。
原作は、山本周五郎の小説「日日平安」です。
ちなみに、「椿三十郎」は織田裕二主演で2007年にリメイクされました。
観てみた感想は、想像していたよりカッコ良かったです♪織田裕二なかなか似合ってました。
ライバル役には豊川悦司、お侍さんには松山ケンイチ、佐々木蔵之介など。
他、中村玉緒、小林稔侍、風間杜夫、藤田まこと、鈴木杏らも出演しました。
そして3本目は「七人の侍」です。
もう誰もが知っている代表作ですよね。こちらも主演は三船敏郎、志村喬です。その他、黒澤映画常連の藤原釜足や左卜全、東野英治郎らも出演しています。
この作品はストーリーが良くできています。個人的には、なんとなく「十二人の怒れる男」を想い出すような、癒しとエール、そして勇気をもらえる映画です。
あらすじは、悪い野武士たちに自分たちの村が襲われ、農作物やひどい場合には農民の妻まで奪われてしまった農民たちが、侍を7人雇って野武士を撃退しようと決意するというお話。
運命的に集まった侍たちにも、それぞれドラマがあり、それぞれの想いを胸に悪に立ち向かう姿がなんとも感動的で見入ってしまいますよ☆
例えば、次の6本。
1本目は、「悪い奴ほどよく眠る」。もう題名だけでもインパクト大ですよね。
主演は三船敏郎ですが、時代劇でなく現代の話しです。サラリーマンとしてスーツ着てます。復讐劇です。
最初はフランク・キャプラ監督の「スミス都へ行く」のような感じになるのかな?と思っていたら・・・まさかの結末で、ものすごい強く印象に残る問題提起の仕方だなぁと感心したのを覚えています。
海外ドラマ「リベンジ」って着想ここからきてるのかな?プロットがスゴく似てるんですよねぇ。。とすると最後は・・・。
香川京子が三船敏郎の恋人役です。ほかに志村喬、森雅之、菅井きんなどが出演。さらに、笠智衆が検事役を、田中邦衛が殺し屋の役を演じていますよ。
2本目「夢」は、日米合作映画で、スティーヴン・スピルバーグがワーナー・ブラザーズへ働きかけたことで実現したことから、日本語版にはスティーヴン・スピルバーグ提供というクレジットが入りました。
夏目漱石の小説「夢十夜」のように、『こんな夢を見た』という言葉から始まるオムニバス形式の映画です。漱石の小説は10の話から構成されていますが、黒澤監督の「夢」は8つの話で構成されています。
感想としては、美しいです。この一言に尽きます。本作の中に出てくるキツネの嫁入りの実写版を観たときには、ちょっとゾクッとさえしました。
作品全体を通して、なんとなくですが後の「まあだだよ」にも引き継がれているような世界観を感じますね。
出演は、寺尾聰、倍賞美津子、原田美枝子、井川比佐志、笠智衆、渡辺哲、いかりや長介、そして驚いたことにゴッホ役で映画監督のマーティン・スコセッシが俳優として出演しています!
3本目「素晴らしき日曜日」も、なかなか良かったなぁ~♪いままで紹介してきた黒澤映画とはテイストが違って爽やかなラブコメに近いです。
けなげというか、純朴というか、素朴で愛らしいラブストーリーなんですよね。途中、映画の中の人物が映画館でみている劇場の観客達に呼びかけるという斬新な試みもなされています。
出演は沼崎勲と中北千枝子。2人で喫茶店を開業する夢を語り合うところなんて素敵です♪起業を目指している人にとってのエール映画でもありますよんヽ(´▽`)/
WOWOWの作品解説では、D・W・グリフィスのサイレント映画「素晴らしい哉人生」(原題:Isn’t Life Wonderful?)をヒントに制作された映画とのことです。こちらの映画も黒澤監督の「素晴らしい日曜日」同様、戦後の町で若いカップルが未来に希望を見出すという内容とのことです。
フランク・キャプラ監督の「素晴らしき哉、人生!」(原題:It’s a Wonderful Life)ではないので注意です。似た題名で混乱しますよね(笑)余談ですが、もう1つ韓国映画に「素晴らしい一日」という映画もあります(笑)
4本目は「隠し砦の三悪人」です。
主演は三船敏郎、そして上原美佐という当時短大生だった女性がヒロインに抜擢されます。この女優さんは「私には才能がない」という理由で2年後に引退しています。
ほかに志村喬、藤原釜足、藤田進、千秋実らが出演。なんと、ジョージ・ルーカス監督の「スターウォーズ」(1977)は本作をヒントに制作されたようです。Wikipediaによれば、レイア姫のモデルは雪姫だったと監督自ら回想しているらしいです!驚きですね。でも言われてみれば、姫と勇者、そしてどこか笑える頼りない2人という構図が、たしかに同じだ(笑)
2008年には長澤まさみ、松本潤主演、樋口真嗣監督でリメイクもされました。タイトルは「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」。ほかに阿部寛、椎名桔平、宮川大輔なども出演しています。
5本目は「羅生門」。原作は芥川龍之介の有名な短編小説です。ただし内容は「羅生門」と「藪の中」を足しています。関係ないですが芥川龍之介の小説では「蜜柑」が好きです。
京マチ子がヒロインを熱演しています。大人向けの映画です。女の怖さみたいなものがヒシヒシと感じられます。
三船敏郎が、いつもとは違って活きのいい悪人を演じてます。志村喬も相変わらずイイ演技してます。
アカデミー名誉賞(現在の外国語映画賞)、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞しています。
ちなみに「羅生門」は嬉しいことに、2014年11月現在、Hulu(フールー)で配信されています!
6本目は「天国と地獄」です。こちらも三船敏郎主演ですが、現代劇です。
三船敏郎が、会社の常務を演じてます。香川京子が妻役です。この夫婦の子供が誘拐されるという内容です。
ほか、仲代達矢、そして山崎努が犯人役をやってます。若い!
最後に観てすごく救われた2作をご紹介しておきます。
田中邦衛、井川比佐志、松村達雄らが出演していますが、一番驚いたのは、芥川比呂志(あくたがわ ひろし)という俳優が出演していたこと。そうです、作家の芥川龍之介の実の息子(長男)なんですね!ちなみに芥川龍之介の子供は3人いて、全員、男です。
大学生の時に初めて見て衝撃を受けました。人それぞれが持つ悩みや心の弱さを描いた映画は、これほど観た人の心を強くしてくれるんだなと感じましたね。すごくエールをもらえる優しい映画です☆
もう1本の「雨あがる」は、実は黒澤監督の死後公開された作品です。脚本は黒澤明ですが、監督は何本か黒澤明の助監督を務めたこともある小泉堯史が担当。
プロデューサーは、黒澤明の実の息子にあたる黒澤久雄が務めました。こちらも山本周五郎の小説が原作です。
ストーリーが最高で、寺尾聡が演じる主人公の浪人は、剣術の腕前はピカいちなんですが、あまりに腕がたちすぎるため嫉妬や生意気だといわれるなど不遇が続きどこの城でも雇ってもらえずにいるんです。そして、今度こそは!と意気込み新しい城の門をたたくが・・・という物語。
そんな夫を支える妻を宮崎美子が演じているのですが、またこの人が素晴らしく心に残りセリフを言うんですね。このセリフはネタバレになるので、興味のある方は映画を観るか、または「管理人789junが選ぶ 名セリフ・名場面」ページで確認してくださいね☆
ほかに、三船史郎(三船敏郎の実の息子)、檀ふみ、井川比佐志、吉岡秀隆、原田美枝子、松村達雄、仲代達矢など豪華メンバーがたくさん出演しています。
なので当然ブルーレイに残すこともできました。これはスゴクお得だと思います!オマケに解説までついてましたから、時代背景や役者・作品の説明なども聞けて最高です!WOWOW☆
もちろん他の監督特集、俳優・女優特集なども今後放送されることでしょう。
WOWOWには3チャンネルあり、それぞれのチャンネルで海外ドラマや洋画、音楽ライブに舞台、そして最近では錦織圭選手が決勝までいって話題になったテニスなどまでありますから、ぜひ加入しておくことをオススメしますヽ(´▽`)/
やはり黒澤明は偉大で、日本の映画監督の中でもNo1の才能の持ち主だと思います。今回は作品中心のページでしたが、機会があれば私生活や交友関係なども調べて、まとめておきたいなぁ~☆
では、最後に黒澤明監督の作品年表です↓(クリックで拡大)
ちなみに2014年11月現在、Hulu(フールー)で配信されている黒澤明の作品は以下の通りです♪
映画「プリティ・ウーマン」で有名なハリウッド俳優リチャード・ギアが黒澤映画に出演したことで有名になった「八月の狂詩曲」、
早くも日本でのパパラッチ問題を取り上げた作品「醜聞」(スキャンダル)、
そしてロシアの文豪ドストエフスキーの小説「白痴」を日本のサッポロに舞台を移して映画化した「白痴」などがあります♪
いやぁ~!ありがたいですねー☆
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今後「エンタメ豆知識」ページで詳細を紹介するつもりですが、TOP5は次の作品を選んだそうです。(参考:NAVERまとめ)
ちなみに、この100本について、黒澤明の実の娘にあたる黒澤和子が「黒澤明が選んだ100本の映画」(文春新書)という本を新たに構成し直して出版しています。
1位:「散り行く花」 (D・W・グリフィス監督)
2位:「カリガリ博士」 (ロベルト・ヴィーネ監督)
3位:「ドクトル・マブゼ」 (フリッツ・ラング監督)
4位:「黄金狂時代」 (チャールズ・チャップリン監督)
5位:「アッシャー家の末裔」 (ジャン・エプスタイン監督)
ご参考までに☆
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↓左が2000年公開のアメリカ版(リメイク)「悪いことしましョ!」で、右が1967年のイギリス映画(オリジナル)「Bedazzled」。